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クリフォト・ロード Qlippoth Lord 出典 Bestiary 6 231ページ クリフォト(単複同形の語)と呼ばれるこのクリーチャーらは、現実感から想像される生命の最初の形態と予想できるがため、恐ろしいのと同様に謎めいている。このモンスターはまだ道徳が存在しなかった時代、神々や定命の者が知られていなかった時代、おそらくは時間自体がまだ広がり始めていなかった時代に生まれた。確実に、最初のプロティアンが混沌に秩序をもたらし、外方次元界の地下世界を走るアビスの無限に長いトンネルを発見したとき、クリフォトは老いていた。想像を絶するほど遠き過去からその種族の目標や願望が何であるかは不明であり、さらに言えば、現在の現実を唯一の基準としている心の持ち主には知ることはできない。現実が触れるものを変えるのと同じように、外方次元界の現実へのクリフォトの渡来がその現実を変えた。遭遇する者全てにとっての敵である彼らは自分たちの領域に侵入する勇気がある者に対して戦いを挑んだ。そして敢えて近付こうとする敵がいない時、クリフォトは代わりに他者に戦争を挑み、無限に見える軍隊としてアビスから湧き上がってきた。 しかし、クリフォトほどに広大で強力であるそこには、彼ら全ての力を覆い隠すほどの者が彼らの中にいる――アビスの深みの最も深く暗いところを支配するユニークで強力なクリフォト・ロードが。今日活動しているクリフォト・ロードの数は、創造の夜明けに存在した者のごく一部に過ぎない。時代を経るにつれ、クリフォト・ロードたちはその存在を知ったほとんどすべての者に反抗されてきた。デーモン・ロード、アークデヴィル、至高天の王、そして神格自身がクリフォト・ロードの冒涜を攻撃し、その中のより強力なものを破壊した。残っているのは、クリフォト・ロードのかつての栄光の陰であるか、その姿の仄めかしさえ誰もまだ垣間見てもいない程にその本性を隠すことに長けている者なのかもしれない。 クリフォト・ロードの大部分は21~25のCRの強さである。アビスの最深部には、ホースマンやアークデヴィルに似たより強力なクリーチャーがまだ存在しているかもしれないが、今の所この理論上のクリフォトの亜神は謎のままである。確実に、活動しているクリフォト・ロードは、物質界に注意を向けることを選んだ場合、定命の大部分を脅かし危険に晒すほど強力な存在である。 一部のクリフォトはルーツを放棄し、デーモンをアビスの新しい秩序として受け入れることを選択している。罪を受け入れ、自身を変身させることを容認したクリフォト・ロードは、その下層からデーモン・ロードの位階まで直接駆け上がる大きな力を獲得することもあるが、アビスの最初の領主として彼らが持っていたかもしれない希薄な同盟関係の永遠の喪失を代償にすることによってのみそれができる。そうした元クリフォト・ロードは、クリフォトとその主によって最悪の裏切り者とみなされているが、そうした裏切り者クリフォトにとって、元クリフォト・ロードがデーモン・ロードとして現在使用している力は圧倒的であるがためこの取引はそれ以上の価値がある。クリフォト・ロードとして存在が始まったデーモン・ロードには、ダゴン、ジュビレックスなどの原始的な実体が含まれるが、これらだけに限定されるとは考えがたい。 次のページに示す4体のクリフォト・ロードは、複数の物質界の世界に関心がある。そのほか、“疫病のポリモーフ”ヤマソス/Polymorph Plague Yamasoth、”ウォーモンガーの女王”シガレブ/Warmonger Queen Shiggarreb、”エニグマの塊”アオナウリオス/Enigma Clot Aonauriousなどは特定の世界に怒りを集中させていたり、アビスの最も深い窪地から完全に脱出し、世界の向こうに注意を向けているため、この本には詳述していない。 クリフォト・ロードの聖域 クリフォト・ロードは強力ではあるが、彼らの強さは最も嫌われている敵であるデーモン・ロードと同じではない。しかし、アビスの最も遠い角にある彼らの深淵の隠れ家では、クリフォト・ロードははるかに脅威である。この聖域に留まっている限り(または必要なときに聖域に退却できる限り)、報復からは護られる。この隠れ家は「聖域」として知られており、そこに到達して入る方法は理解を超えたもので不明瞭であるが、聖域のサイズは非常に大きいものであろう。 この聖域内では、クリフォト・ロードは以下の追加の力を得る(神話能力を除き、以下のページに示しているデータにこれらの能力は含まれていない)。 神話級/Mythic:クリフォト・ロードは第10階梯の神話クリーチャーとして機能する。これは神話パワーの能力を持つことを含む(10回/日、活性+1d12)。まるでその能力が神話呪文であるかのように、上付き文字「神」で示される擬似呪文能力の神話版を使用するために神話パワーの使用回数を費やすことができる。 黄泉がえり/Rejuvenation:聖域で殺害されたクリフォト・ロードの精神は、そのロードの聖域内で生きている、そのロードが生きているクリフォトから選んだクリフォト1体と融合する。これはメジャー・マインド・スワップとして機能するが、効果を回避するためのセーヴがなく、典型的なクリフォトの[精神作用]効果に対する完全耐性が提供されない。1d100年後、クリフォトはクリフォト・ロードとしての以前の肉体の新しい化身に変身するが、この変身の前に殺害された場合、クリフォト・ロードは永久に死ぬ。 クリフォト・ロードは以下の擬似呪文能力を1日1回使用できる:アストラル・プロジェクション、バインディング、ディマンド、ディサーン・ロケーション、ファブリケイト、メジャー・クリエイション、ミラクル (聖域を操作する物理的効果またはクリフォト・ロードの利益に関連する効果に限定)、ポリモーフ・エニィ・オブジェクト(聖域に固有の物体またはクリーチャーがに使用すると、ポリモーフの持続時間の係数は6増加する)。 クリフォト・ロード:イスフオウンヴァルン Qlippoth Lord, Isph-Aun-Vuln 人間ほどの大きさの煙の雲が凝縮し、牙のある口の周りに触手の塊と目が形成される。 イスフオウンヴァルン CR25 Isph-Aun-Vuln 出典 Bestiary 6 234ページ XP 1,638,400 混沌にして悪/中型サイズの来訪者(混沌、悪、他次元界、非実体、クリフォト) イニシアチブ +16;感覚 暗視60フィート、ディテクト・グッド、ディテクト・ロー、トゥルー・シーイング;〈知覚〉+40 オーラ クローク・オヴ・ケイオス(DC27) 防御 AC 44、接触32、立ちすくみ31(+1回避、+9反発、+12【敏】、+12鎧) HP 546(28d10+392);再生15(秩序) 頑健 +34、反応 +27、意志 +31 防御的能力 フリーダム・オヴ・ムーヴメント、非実体、強制効果反射、魂の殻;ダメージ減少 15/冷たい鉄および秩序;完全耐性 [氷雪]、[即死]効果、[精神作用]効果、[毒];抵抗 [強酸]30、[雷撃]30、[火炎]30;呪文抵抗 36 攻撃 移動速度 飛行100フィート(完璧) 近接 噛みつき=+40接触(破壊) 特殊攻撃 自己破壊命令、身の毛のよだつ姿(DC33)、陰湿な憑依、有毒の嵐 擬似呪文能力 (術者レベル25;精神集中+34) 常時―クローク・オヴ・ケイオス(DC27)、タンズ、ディテクト・グッド、ディテクト・ロー、トゥルー・シーイング、フリーダム・オヴ・ムーヴメント 回数無制限―グレーター・オブジェクト・ポゼッション(DC26)、グレーター・コマンド(DC25)、グレーター・ディスペル・マジック、グレーター・テレポート、チャーム・モンスター(DC23)、ディセクレイト(神) 3回/日―グレーター・ポゼッション(DC27)、ドミネイト・モンスター(DC28)、呪文高速化マインド・フォッグ(DC24)、呪文高速化マス・サジェスチョン(DC25)、ワールウィンド(神)(DC27) 1回/日―ウィッシュ(神)、クリフォト招来 (神) イスフオウンヴァルンは自身の聖域にいるとこの能力の神話版を使用できる。 一般データ 【筋】―、【敏】35、【耐】38、【知】31、【判】28、【魅】29 基本攻撃 +28;CMB +40;CMD 60(足払いされない) 特技 《イニシアチブ強化》、《回避》、《かすめ飛び攻撃》、《擬似呪文能力高速化:マス・サジェスチョン、マインド・フォッグ》、《技能熟練:はったり》、《強行突破》、《攻防一体》、《神速の反応》、《神速の反応強化》、《戦闘発動》、《鋼の意志》、《鋼の意志強化》、《迎え討ち》 技能 〈威圧〉+37、〈知識:神秘学、歴史、地域、貴族、宗教〉+38、〈隠密〉+43、〈軽業〉+40、〈交渉〉+37、〈呪文学〉+38、〈真意看破〉+40、〈知覚〉+40、〈知識:次元界〉+41、〈はったり〉+46、〈飛行〉+51、〈魔法装置使用〉+37 言語 奈落語;テレパシー300フィート、タンズ 生態 出現環境 気候問わず/地形問わず(奈落界アビス) 編成 単体(固有の存在) 宝物 ×3 特殊能力 陰湿な憑依(変則)/Insidious Possession イスフオウンヴァルンが擬似呪文能力を介して物体またはクリーチャーに憑依をしようとする時、自動的にそのクリーチャーにかかっているプロテクション・フロム・イーヴルやそれに類似する呪文効果をグレーター・ディスペル・マジックを介して解呪しようと自動的に試みる。加えて、クリーチャーがイスフオウンヴァルンのポゼッションの擬似呪文能力に対するセーヴィング・スローに失敗すると、クリフォトによって作成された[精神作用]効果に対する後の全てのセーヴィング・スローに-4のペナルティを受ける。この継続するペナルティは呪い効果である。 強制効果反射(変則)/Reflect Compulsion イスフオウンヴァルンは[精神作用]効果に対する完全耐性を持つが、クリーチャーが(強制)の呪文または擬似呪文能力の目標にイスフオウンヴァルンをし、その効果が呪文抵抗を貫通できない場合、その効果は術者に反映される。イスフオウンヴァルンが術者であるかのように、(強制)呪文や効果を扱うが、セーヴDCは変更されない。 自己破壊命令(変則)/Destructive Commands イスフオウンヴァルンが(魅惑)または(強制)効果を介して魔法的に支配するとき、クリーチャーに自己破壊的またはクリーチャーの性質に反する命令を出せる。このような命令が発せられると、魔法で制御されたクリーチャーは該当の呪文効果のDCに対する意志セーヴを成功させることで命令に抵抗できるが、このセーヴに成功しても効果は終了せず、以降のラウンドにイスフオウンヴァルンが同じまたは類似の命令を発しようとする試みを防げない。 魂の殻(超常)/Soul Shell イスフオウンヴァルンは支配または憑依している間に亡くなった無数のクリーチャーの魂の断片の渦に常に囲まれている。この渦はイスフオウンヴァルンに+12の鎧ボーナスを与え、遠隔接触攻撃をそらすのに役立つ。このクリフォト・ロードに対する遠隔接触攻撃はすべて50%の失敗確率を持つ。魂の殻は非実体のクリーチャーとして固体の物体を移動するイスフオウンヴァルンの能力を妨げない。 破壊(超常)/Destruction イスフオウンヴァルンの噛みつきは主要接触攻撃として解決される。クリフォト・ロードに噛まれたクリーチャーはDC33の頑健セーヴに成功するか、1d6ポイントの【判断力】吸収と150ポイントの負のエネルギー・ダメージを受けなければならない。クリーチャーがセーヴに成功すると1ポイントの【判断力】吸収と20d6ポイントの負のエネルギー・ダメージを受けなければならない。このダメージによってクリーチャーが殺害された場合、その身体は即座に不浄な火の中で消費され、所有物だけが残る。このように殺害されたクリーチャーを生き返らせる唯一の方法は、トゥルー・リザレクションか、ウィッシュ呪文の後にリザレクションまたはミラクルを続けて発動することがである。これは[即死]効果である。セーヴDCは【魅力】に基づく。 身の毛のよだつ姿(超常)/Horrific Appearance イスフオウンヴァルンの身の毛のよだつ姿に屈したクリーチャーは、クリフォト・ロードの精神的支配に既に負けており、近づく以外何もできないと確信する。影響を受けたクリーチャーはフリーダム・オヴ・ムーヴメントと60フィートの飛行移動速度(完璧の機動性)を得る。これはイスフオウンヴァルンに接近するためのみに使用できる。影響を受けるクリーチャーがイスフオウンヴァルンに隣接すると、クリフォト・ロードに隣接している限り幻惑状態となる。この幻惑効果はクリーチャーが隣接しなくなると即座に終了し、その時点でイスフオウンヴァルンに近づくという衝動が戻る。イスフオウンヴァルンが存在しない場合、クリーチャーは自由に通常通り行動できるが、イスフオウンヴァルンがふたたび現れると、即座に接近する衝動も戻る。これは[精神作用](強制)かつ呪い効果である。魔法で取り除かれない場合、この呪いはクリーチャーが24時間連続してイスフオウンヴァルンの存在の外にいた後のみ終了する。 有毒の嵐(超常)/Toxic Storm 1d4ラウンドに1回標準アクションとして、イスフオウンヴァルンは自身の周りに強力なハリケーンの風を発生させることができる。この風の爆発は、イスフオウンヴァルンの選択に従ってこのクリフォト・ロードから半径120フィートの外側に、または内側に向かって吹く。Pathfinder RPG Core Rulebookの439ページに記載されている台風の強風で説明されているように、風はクリーチャーに影響を及ぼす。風の爆発は1ラウンドの間継続する。この風は非常に有毒であり、有毒の風に曝されたすべてのクリーチャーは以下の毒効果を受ける。毒効果のセーヴDCは【耐久力】に基づく。 イスフオウンヴァルンの風/Winds of Isph-Aun-Vuln:有毒の嵐―接触型;セーヴ 頑健・DC38;頻度 1回/ラウンド(6ラウンド間);効果 1d6【判】ダメージ、加えて混乱状態1ラウンド;治癒 2回連続のセーヴ成功。 イスフオウンヴァルンは、歯を生やした大口の周りにのたくる触手が並んでいる人間大の塊のように見える。この触手は現実へと出入りし、靄を超えた何かとして完全に存在することは決してないが、その非物質的な形態と比較的小さいサイズにもかかわらず、イスフオウンヴァルンはクリフォト・ロードの中で最も強力な存在の1体に数えられる。他のクリフォトがサイズと強さで敵を圧倒するのに対し、イスフオウンヴァルンはより破壊的で繊細なやり方を選び、他人の憑依と精神的制御をすることで、罪を犯す能力を持つ全てのクリーチャー――言い換えれば、あらゆる自由意志を持つ定命の者――を虐殺するという目標を達成する。滅ぼす為に使えない者については、彼女は煙状の煌めく戦利品として彼らの魂の断片で着飾っている――そうした存在はイスフオウンヴァルンが宇宙から自由意志を排除することに成功した場合に残っていた者たち全員が辿るであろうなれの果ての姿である。 イスフオウンヴァルンの教団 Isph-Aun-Vuln s Cult イスフオウンヴァルンはおそらくクリフォト・ロードの中で最も強力な存在であるため、彼女の教団が物質界全体の何百もの異なる世界の定命の者の中で最も広まっていることは驚くに値しないだろう。内なる歓待者/Feaster Withinとして知られることが多いイスフオウンヴァルンに敬意を表する者の多くは、崇拝する実体がどのような種類のものなのかを完全に知ることなく崇拝し、カリスマ的で狂った教団の指導者の命令に従うだけである。多くの場合その指導者は、イスフオウンヴァルンによって支配されているか、そうでなければ精神的に制御されているため、以前の個性のすべてを失っている事が多い。イスフオウンヴァルンの崇拝者たちは、断崖の端で立っている岩々のただ中で、あるいは風の吹き荒ぶ険しい山頂で彼女を崇拝し、そしてこの亜神への生贄には一般的に魔法を使って犠牲者を空へと投げ込むことが含まれ、そこでその犠牲者は風に揉まれてから下方の大地へと落ち、壊れて破滅する。 イスフオウンヴァルンの聖印は、触手の雲の中のルーンであり、好む武器はロングボウである。風、混沌、悪、欺きの領域と騙し、恐怖、有毒、疾風の副領域の使用権を与える。 クリフォト・ロード:オウアオオウン Qlippoth Lord, Oaur-Ooung この触手の怪物の側面――一部がクラゲで、一部がキノコの森――は不透明な脈打つ水泡で膨れている。 オウアオオウン CR23 Oaur-Ooung 出典 Bestiary 6 236ページ XP 819,200 混沌にして悪/超巨大サイズの来訪者(水棲、混沌、悪、他次元界、クリフォト) イニシアチブ +12;感覚 暗視60フィート、ディテクト・グッド、ディテクト・ロー、トゥルー・シーイング;〈知覚〉+35 オーラ クローク・オヴ・ケイオス(DC24) 防御 AC 40、接触14、立ちすくみ32(+26外皮、-8サイズ、+4反発、+8【敏】) HP 481(26d10+338);再生15(秩序) 頑健 +32、反応 +27、意志 +18 防御的能力 フリーダム・オヴ・ムーヴメント、反応的スウォーム;ダメージ減少 15/冷たい鉄および秩序;完全耐性 [氷雪]、[即死]効果、[精神作用]効果、[毒];抵抗 [強酸]30、[雷撃]30、[火炎]30;呪文抵抗 34 攻撃 移動速度 20フィート、飛行60フィート(良好)、水泳80フィート 近接 叩きつけ=+35(6d6+17/19~20、加えて“毒”)、触手(×6)=+30(2d8+8/19~20、加えて“つかみ”、および“毒”) 接敵面 60フィート、間合い 60フィート(加えて”壮大な間合い”) 特殊攻撃 水ぶくれ、締めつけ(2d8+17、加えて“毒”)、同族作り、身の毛のよだつ姿(DC29) 擬似呪文能力 (術者レベル23;精神集中+29) 常時―クローク・オヴ・ケイオス(DC24)、ディテクト・グッド、ディテクト・ロー、トゥルー・シーイング、フライ、フリーダム・オヴ・ムーヴメント 回数無制限―クラウドキル(神)(DC21)、グレーター・ディスペル・マジック、グレーター・テレポート、コントロール・ウォーター、ディセクレイト(神)、ブラック・テンタクルズ(神) 3回/日―ヴォーテックス(DC23)、コントロール・プランツ(DC24)、呪文高速化ヒール(神)、ホリッド・ウィルティング(神)(DC24)、プランダード・パワー(DC23) 1回/日―クリフォト招来、ツナミ(神)(DC25) (神) オウアオオウンは自身の聖域にいるとこの能力の神話版を使用できる。 一般データ 【筋】44、【敏】27、【耐】36、【知】21、【判】23、【魅】22 基本攻撃 +26;CMB +51(突き飛ばし+53);CMD 73(対突き飛ばし75、足払いされない) 特技 《イニシアチブ強化》、《擬似呪文能力高速化:ヒール》、《強打》、《クリティカル強化:叩きつけ、触手》、《クリティカル熟練》、《渾身の一打》、《渾身の一打強化》、《上級渾身の一打》、《突き飛ばし強化》、《ふっとばし攻撃》、《迎え討ち》、《よろめき化クリティカル》 技能 〈隠密〉+21、〈呪文学〉+31、〈真意看破〉+35、〈水泳〉+54、〈知覚〉+35、〈飛行〉+44、〈知識:神秘学、地理、自然、次元界、宗教〉+34 言語 奈落語;テレパシー300フィート その他の特殊能力 水陸両生、収縮、巨躯、スウォーム体得 生態 出現環境 気候問わず/地形問わず(奈落界アビス) 編成 単体(固有の存在) 宝物 ×3 特殊能力 巨躯(変則)/Massive オウアオオウンは不均一な地面やその他環境的な特徴のある移動困難な地形によって妨げられないが、集落や森林地帯は彼女にとって移動困難な地形とみなされる。超大型かそれより小さなクリーチャーは、オウアオオウンが占めるマスを自由に移動することができ、逆も同様である。類似の巨躯を持つカイジューとは異なり、オウアオオウンはあらゆるサイズの敵に対して機会攻撃を行うことができ、あらゆるサイズの敵によって挟撃される。マス全体が目標よりも高い位置にある場合にのみ、高い位置にいることに対するボーナスを得る。超大型またはそれより小さいクリーチャーはオウアオオウンに登ることができるが、これにはDC30の〈登攀〉に成功する必要がある。 スウォーム体得(変則)/Swarm Mastery オウアオオウンはスウォームのダメージに完全耐性を持ち、スウォームの攻撃によってわずらわされない。 壮大な間合い(変則)/Prodigious Reach 1ラウンドに1回割り込みアクションとして、オウアオオウンは中心にある触手を広げ、叩きつけ攻撃で600フィート以内にいる見ることができるクリーチャーを攻撃することができる。この攻撃は機会攻撃にも使用できる。通常の60フィートの間合いを超えて敵に組みつくことはできない。 同族作り(超常)/Create Spawn 1ラウンドに1回、叩きつけ攻撃で生きている非来訪者を殺害すると、オウアオオウンはその殺害したクリーチャーをクリフォトに変身させることができる。作成するクリフォトのCRは殺害されたクリーチャーのCR-2以下でなければならないが、それ以外の新しいクリフォトの性質はオウアオオウンが選択する。作成された新しいクリフォトは自由意志を持ち、以前の人生の記憶を保持していない。殺害されてこの変成の対象となったクリーチャーはDC29の意志セーヴに成功することで、変化に抵抗することができる。セーヴに失敗すると、その殺害されたクリーチャーは、生み出されたクリフォトが殺害されるまで、そしてミラクル、トゥルー・リザレクション、ウィッシュを介してのみ生き返ることができる。セーヴDCは【魅力】に基づく。 毒(超常)/Poison 叩きつけ、触手、または“締めつけ”―致傷型:セーヴ 頑健・DC36;頻度 1回/ラウンド(6ラウンド間);効果 1d4【耐】吸収;治癒 2回連続のセーヴ成功。この毒によって殺害されたクリーチャーは弾けて新しいクリフォトが産み落とされる(オウアオオウンによって選択された種別で、CRは犠牲者のCR以下)。このセーヴDCは【耐久力】に基づく。 反応的スウォーム(変則)/Reactive Swarms 1ラウンドに1回、クリーチャーが近接武器でオウアオオウンを攻撃すると、彼女の肉が裂け、群がる蟲の吐き気を催す噴霧を放つ。この群れは6d6ポイントのダメージを与え、攻撃者はDC36の頑健セーヴに成功するか、1d4ラウンドの間吐き気がする状態とならなければならない。これはオウアオオウンにアクションは必要ない。セーヴDCは【耐久力】に基づく。 水ぶくれ(超常)/Blisterwomb 1日1回標準アクションとして、オウアオオウンは自身の体にある巨大で脈打つ水ぶくれの1つを噴出させることができる。これは、30フィートの円錐形に20d6ポイントの[氷雪]ダメージを与え、範囲内に立つクリーチャーが伏せ状態となる凍った流動体を作り出す。DC36の反応セーヴに成功すると、クリーチャーは半減ダメージを受け、伏せ状態を回避する。同時にCR20の遭遇に相当する、完全に成長した無数のクリフォトが水ぶくれから成長する――典型的には4体のカタボリグネで構成されるが(225ページ参照)、オウアオオウンはこの能力で望むだけクリフォトを作成できる。セーヴDCは【耐久力】に基づく。 身の毛のよだつ姿(超常)/Horrific Appearance オウアオオウンの身の毛のよだつ姿に屈したクリーチャーは巨大なクリフォト・ロードの視野とサイズに圧倒され、昏睡状態に陥る。伏せ状態となることに加え、犠牲者は1d6ラウンドの間幻惑状態となる。毎ラウンド、犠牲者は幻惑状態のままで、1d4ポイントの【耐久力】ダメージを受ける。このダメージによってクリーチャーが殺されると、その体が裂けて開き、新しいクリフォト1体が遺体から現れる(目標のCR以下のCRのクリフォトが)。 巨大なオウアオオウンは定命の者に対するクリフォトの戦争にとって恐ろしく多産な兵士の源である。アビスのクリフォトの大群が出現するのはこのクリフォト・ロードからだ。万が一の出来事によって、オウアオオウンが永続的に倒された場合は、アビスによるクリフォトの生産は完全には止まらないが、顕著な量で減少していく――少なくともアビスが、殺害されたクリフォト・ロードに代わる、同じように下劣で不潔な替えを生み出すまでは。 オウアオオウンのアビスの聖域は海岸線のない毒まみれの海洋である。その射干玉の深淵の其処彼処で荒れ狂う海面を求めて水没した山頂が無為に手を伸ばし、リヴァイアサン達は広大な海洋を泳ぎ回っている。オウアオオウンはその中では最大であるが、自身のための居住地を保持せず、大小様々なクリフォトを産み出しながら永遠の海洋で漂うことに満足する。一部は溺死し、一部はオウアオオウンが食らうが、十分な数が危機と海の深みから逃れ、アビスの他の領域へと、時に他の領域への渦をかき乱すことで移動する。 時に、オウアオオウンの水ぶくれから産まれたクリーチャーは特に強力であることがある;アビスのデーモン・ロードの少なくとも一柱は、オウアオオウンから出現したクリフォト・ロードとして存在を始めたと噂されている。最近オウアオオウンを見た(そして生き残った)者は、前例のないサイズの水ぶくれが脇腹に沸騰していると主張し、彼女が巨大な力を生み出そうとしていることを示唆している。アビスへのこの新しい追加物とはなにか、それがどのような姿を取るかは不明であるが、それは確実に数え切れない世界にいる定命の者の人生にとって不吉の前兆である。 オウアオオウンの体長は120フィートであるが、中心の触角のような茎は数マイル先まで伸びて、注意を引いたという際だった不幸を有するクリーチャーに向かって怒りをぶつけることができる。 オウアオオウンの教団 Oaur-Ooung s Cult オウアオオウンの崇拝者は1つのことにとりつかれる傾向がある:クリフォトに変身したいという圧倒的な欲望に。彼らの欲望は恥から生まれるものではないので、この崇拝者は哀れに思われるべきではない。彼らは、クリフォトが勝利すること、そして自分たちのこの破壊的な存在の1つへの早期の変身の確保によって自分たちが知っているものから最終的にあらゆる現実が取って代わるであろう世界で自分たちは生きること、を信じている。彼らが自身の定命の記憶や人格を一切保持しないということは、彼ら以外の種は生きられないのに彼らは何らかの形で生き延びる限りこうした人々にとっては何ら忌むべきものではない。多くのものはすでに種族のアイデンティティを放棄し、元の文化を否定し、魔法や外科的改造を追求している。オウアオオウンは荒涼とした海岸線や難破したあるいは沈没した舟の残骸の中で崇拝されており、彼女への生贄はしばしば邪悪なフレッシュウォープ化の儀式の対象となり、その際生贄の身体は忠実な信者を「進化」させて崇拝者の敵を食らうように意図された変成の儀式の不浄なる構成品となる。 オウアオオウンの聖印はクラゲ型のルーンであり、好む武器はトライデントである。このクリフォト・ロードは、混沌、悪、植物、水の領域と、腐敗、恐怖、成長、大海の副領域の使用権を与える。 クリフォト・ロード:サスクチューン Qlippoth Lord, Thuskchoon このナメクジのようなクリーチャーは、どこに行ってもタールの跡を残し、上半身は隙間のある汚泥の滴る口に繋がっている。 サスクチューン CR21 Thuskchoon 出典 Bestiary 6 238ページ XP 409,600 混沌にして悪/巨大サイズの来訪者(混沌、悪、他次元界、クリフォト) イニシアチブ +14;感覚 暗視60フィート、ディテクト・グッド、ディテクト・ロー、振動感知120フィート、トゥルー・シーイング;〈知覚〉+36 オーラ クローク・オヴ・ケイオス(DC23) 防御 AC 37、接触21、立ちすくみ26(+1回避、+16外皮、-4サイズ、+4反発、+10【敏】) HP 396(24d10+264);再生15(秩序) 頑健 +23、反応 +28、意志 +27 防御的能力 フリーダム・オヴ・ムーヴメント;ダメージ減少 15/冷たい鉄および秩序;完全耐性 [強酸]、[氷雪]、[即死]効果、[精神作用]効果、[毒];抵抗 [雷撃]30、[火炎]30;呪文抵抗 32 弱点 ほぼ精神を持たない 攻撃 移動速度 40フィート、穴掘り20フィート、飛行60フィート(良好) 近接 噛みつき=+33(6d8+13/19~20、加えて2d6[強酸]、および“つかみ”)、鉤爪=33(×4)(2d6+13) 接敵面 20フィート、間合い 20フィート 特殊攻撃 ブレス攻撃(120フィートの直線状、20d10[強酸]ダメージ、反応・DC33・半減、1d4ラウンド毎に1回)、高速飲み込み、身の毛のよだつ姿(DC27)、飲み込み(10d6殴打ダメージ、10d6[強酸]ダメージ、および1d6【知力】ダメージ;AC18;HP39) 擬似呪文能力 (術者レベル21;精神集中+26) 常時―クローク・オヴ・ケイオス(DC23)、ディテクト・グッド、ディテクト・ロー、トゥルー・シーイング、フライ、フリーダム・オヴ・ムーヴメント 回数無制限―アシッド・フォッグ、グレーター・ディスペル・マジック、グレーター・テレポート、スロー(神)(DC18)、ディセクレイト(神)、ブラインドネス/デフネス(神)(DC17) 3回/日―ヴィジョン、ウェイヴズ・オヴ・イグゾースチョン、呪文高速化スロー(DC18)、パワー・ワード・ブラインド(神)、フォアサイト(神)、マス・ハンガー・フォー・フレッシュ(DC21) 1回/日―インプリズンメント(DC24)、クリフォト招来 (神) サスクチューンは自身の聖域にいるとこの能力の神話版を使用できる。 一般データ 【筋】36、【敏】30、【耐】33、【知】3、【判】28、【魅】21 基本攻撃 +24;CMB +41(突き飛ばし+43);CMD 66(対突き飛ばし68、足払いされない) 特技 《イニシアチブ強化》、《回避》、《擬似呪文能力高速化:スロー》》、《強打》、《クリティカル強化:噛みつき》、《クリティカル熟練》、《渾身の一打》、《渾身の一打強化》、《突き飛ばし強化》、《ふっとばし攻撃》、《迎え討ち》、《盲目化クリティカル》 技能 〈知覚〉+36、〈飛行〉+45 言語 奈落語(話せない);テレパシー300フィート その他の特殊能力 絡みつく酸、偽りの知性、知性の閃光、無呼吸、タール前進 生態 出現環境 気候問わず/地形問わず(奈落界アビス) 編成 単体(固有の存在) 宝物 ×3 特殊能力 偽りの知性(超常)/False Intellect サスクチューンが飲み込み能力を介して【知力】ダメージを与える各ラウンドで、クリフォト・ロードはその消化された知性を使用して、そのラウンドで与えられた【知力】ダメージ1ポイント毎に1ラウンドの間、知性の閃光の利益を得ることができる。この持続時間は、サスクチューンが複数のクリーチャーを飲み込んだ場合、または【知力】ダメージが1ラウンド以上継続する場合に累積する。 絡みつく酸(変則)/Entangling Acid サスクチューンの攻撃または能力(変則的能力、超常能力、擬似呪文能力のいずれか)から[強酸]ダメージを受けるクリーチャーはこのクリフォト・ロードが生成する濃厚な粘着性の酸によって絡みつかれた状態になる。フリーダム・オヴ・ムーヴメントはこの絡みつく効果を防ぐ;それ以外の場合、キャラクターが酸の泥を剥がして捨てるまで持続する;そうすることはDC20の【筋力】判定を必要とする。それを試みることは機会攻撃を誘発する標準アクションである。 タール前進(変則)/Trailing Tar 基本移動速度を使用して移動するときは粘着性のあるタール状の泥の厚い膜を発する。この基本移動速度を使用して通り過ぎたマスは1時間の間移動困難な地形に変わる。フリーダム・オヴ・ムーヴメントはこの粘着性のある地形を自由に移動できるようにし、ユニヴァーサル・ソルヴェントはタールの5四方フィートのマスを浄化できる。該当の呪文の効果が6レベル以上あれば、汚物や死骸の領域を浄化する呪文や効果も、この移動困難な地形を取り除くことができる。 知性の閃光(変則)/Intellectual Flash サスクチューンが戦闘に入ると、ラウンド毎に累積する20%の確率で知性の閃光を受信する。戦闘中、このクリフォト・ロードのターンの開始時にこの閃光を確認すること。その確率が成功した場合、そのラウンドでは、サスクチューンはほぼ精神を持たないの弱点を失い、擬似呪文能力を自由に使用することができ、典型的な人間と同じように戦闘の戦略をとることができるようになる。そのラウンド中、サスクチューンは+20の洞察ボーナスを得て未修得の〈知識〉判定を試みることができる(【知力】が3であり-4のペナルティを保持しているため、このラウンドでは+16のボーナスで〈知識:神秘学、地理、自然、次元界、宗教〉を行うことを意味する)。次のラウンドでは、知性の戦闘が発生する可能性は0%に減少するが、その後の各ラウンドで20%に増加する。 ほぼ精神を持たない(変則)/Nearly Mindless サスクチューンの限度のある知性と圧倒的な空腹が組み合わさり、彼の行動はほぼ知性のないクリーチャーとなっている。知性の閃光を使用するか、偽りの知性の利益を使わない限り、いかなる擬似呪文能力を起動することもできず、戦闘における戦術の選択肢は暴力的な動物のものである。ほぼ精神を持たない状態の間に、サスクチューンは[精神作用]効果に対する全てのセーヴィング・スローに+8のボーナスを得る。 身の毛のよだつ姿(超常)/Horrific Appearance サスクチューンの身の毛のよだつ姿に屈したクリーチャーは、サスクチューンという怪物の存在によって現実であるかもしれないしそうでないかもしれない恐ろしい記憶で心を溢れさせ、抑圧している恐怖を解き放ち、その恐怖が意識上にもたらされる。多くの場合、これらの記憶は、種族的記憶と過去の人生の走馬灯の奇妙な組み合わせである。犠牲者はまた遺伝的復帰を経験する。犠牲者は即座に(呪文と同様の)フィーブルマインドの影響を受け、身体は変形しひどく捻じれる。ミュータント・テンプレート(Pathfinder RPG Bestiary 5の180ページ)から得た畸形のリストから選択して(またはランダムに)、犠牲者に適用すること。または、犠牲者の身体的能力値の1つを4ポイント減少させること(この減少に色味を加えるために、自由に適切な容姿の悪趣味さの考案を検討すること)。フィーブルマインド効果はその状態を取り除く効果によって通常通り治癒することができるが(詳細は呪文の説明欄を参照せよ)、ミュータントは永続的なものであり、ミラクルかウィッシュ呪文を介すか、死とその後の復活によってのみ取り除くことができる。サスクチューンの身の毛のよだつ姿は【知力】が1または0のクリーチャーには効果がない。 全てのクリフォト・ロードが、ほとんどの定命の精神を上回る異界の知性を持っているわけではない。サスクチューンの場合、クリフォト・ロードの知性は、ほぼ完全に貪欲な食欲と食事に取って代わっている。時折、このクリフォト・ロードは洞察のひらめきを得て、現実の広大なパズルを一瞬で理解するが、その短い洞察は即座に消えてしまう。サスクチューンが獲物を食べるとこの洞察の期間は長くなる。なぜならば、肉を消化するのと同時に思考を消化し、目的を持って行動するために犠牲者の精神に寄生することができるからである。 サスクチューンのアビスの聖域は、アビスの深淵を曲がりくねりながら通過し、もし全てではないとしたら他のクリフォトの聖域の殆どを接続している隧道の広大な洞窟である。しかし彼がこの洞窟の迷路で時間を過ごすことは滅多になく、代わりに自身の永遠の飢えを満たせる何かを絶えず探し求めてアビスの深淵をあてもなく彷徨っている。時折、このクリフォト・ロードは他の次元界に自身の熱狂を齎すポータルを通過するが、すぐに追放されるか殺害され、聖域の中心から新たに放浪を始めることを余儀なくされてしまうのは時間の問題である。 サスクチューンは全長40フィート、体重16,000ポンドである。 サスクチューンの教団 Thuskchoon s Cult サスクチューンの崇拝者たちは、クリフォト・ロードを大食漢/Everglutton と呼んでおり、彼のほぼ精神を持たず、ほぼ満たされることのない飢えを称えている。この変わったクリフォト・ロードの崇拝者たちはこの柱を崇めてはいるが、その信仰の核心部分ではサスクチューンは特に知性によって動いていないことを認めているがため、意図的な報酬という形ではあまり期待していない。彼が明らす秘密は信服させ世界を揺るがすものであるが、それは偶然の啓示――大食漢が被造物の中を歩き回っている間に跡に残す、蛇行する破壊の痕跡の付随的な余波――である。サスクチューンの寺院は大きな洞窟や廃墟となった建物を改造しているが、教団は遊牧であり、長い間一箇所に留まることはない。荒らし破壊すべき新しい地域という展望は常にこのクリフォト・ロードの教団の指導者の頭を悩ませるが、1~2年の間1つの地域に定住できることも時折ある。これらの場合、彼らは恐ろしい絵文字を刻み始め、アビスの祈りを一時的な社を構成する石に刻む傾向がある。クリフォト・ロード自身が消化した犠牲者の精神から一瞬の洞察を得るのと同じように、教団員は奇妙な幻視やあえて質問していない思いがけない質問への答えが得られることを期待して新しい飲める薬物や毒、特殊な摂取品を常に求める。 サスクチューンの聖印は歯のある三角形のルーンであり、好む武器はグレートクラブである。混沌、破壊、悪、知識の領域と災害、エントロピー、激怒、思考の副領域の使用権を与える。 クリフォト・ロード:チャヴァズヴァグ Qlippoth Lord, Chavazvug この高く聳える蒸れた、ズルズルと這い進む内臓の塊は、5本の蜘蛛のような脚の下に口のある腸のロープを引きずっている。 チャヴァズヴァグ CR22 Chavazvug 出典 Bestiary 6 232ページ XP 614,400 混沌にして悪/超巨大サイズの来訪者(混沌、悪、他次元界、クリフォト) イニシアチブ +11;感覚 暗視60フィート、ディテクト・グッド、ディテクト・ロー、振動感知60フィート、トゥルー・シーイング;〈知覚〉+34 オーラ クローク・オヴ・ケイオス(DC24) 防御 AC 39、接触14、立ちすくみ31(+1回避、+25外皮、-8サイズ、+4反発、+7【敏】) HP 437(25d10+300);再生15(秩序) 頑健 +24、反応 +25、意志 +24 防御的能力 フリーダム・オヴ・ムーヴメント、黄泉がえり、焦熱する肉体;ダメージ減少 15/冷たい鉄および秩序;完全耐性 [氷雪]、[即死]効果、[火炎]、[精神作用]効果、[毒];抵抗 [強酸]30、[雷撃]30、[火炎]30;呪文抵抗 33 攻撃 移動速度 60フィート、飛行60フィート(良好) 近接 噛みつき=+30(2d6+13/19~20、加えて2d6[火炎]、および“つかみ”)、鉤爪(×2)=+30(2d8+13/19~20、加えて2d6[火炎]) 接敵面 30フィート、間合い 30フィート 特殊攻撃 沸騰液の噴霧、高速飲み込み、身の毛のよだつ姿(DC28)、デーモンの虐殺、飲み込み(10d6殴打、加えて10d6[火炎]ダメージ、AC22、HP43) 擬似呪文能力 (術者レベル22;精神集中+28) 常時―クローク・オヴ・ケイオス(DC24)、ディテクト・グッド、ディテクト・ロー、トゥルー・シーイング、フライ、フリーダム・オヴ・ムーヴメント 回数無制限―ウォール・オヴ・ファイアー(神)、グレーター・ディスペル・マジック、グレーター・テレポート、コンテイジアス・フレイム、ディセクレイト(神)、ファイアーボール(神)(DC19) 3回/日―ウォール・オヴ・ラヴァ、呪文高速化コンテイジアス・フレイム、ディレイド・ブラスト・ファイアーボール(DC23)、ハーム(神)(DC22)、リザレクション(汚れた復活参照) 1回/日―クリフォト招来、メテオ・スウォーム(神)(DC25) (神) チャヴァズヴァグは自身の聖域にいるとこの能力の神話版を使用できる。 一般データ 【筋】36、【敏】25、【耐】34、【知】23、【判】23、【魅】22 基本攻撃 +25;CMB +46;CMD 68(対足払い74) 特技 《イニシアチブ強化》、《回避》、《擬似呪文能力高速化:コンテイジアス・フレイム》、《強打》、《クリティカル強化:噛みつき、鉤爪》、《クリティカル熟練》、《渾身の一打》、《渾身の一打強化》、《上級抵抗破り》、《抵抗破り》、《迎え討ち》、《よろめき化クリティカル》 技能 〈威圧〉+34、〈知識:神秘学、宗教〉+31、〈威圧〉+19、〈軽業〉+35、〈呪文学〉+31、〈真意看破〉+34、〈生存〉+34、〈知覚〉+34、〈知識:次元界〉+34、〈飛行〉+42、〈魔法装置使用〉+34 言語 奈落語;テレパシー300フィート その他の特殊能力 汚れた復活 生態 出現環境 気候問わず/地形問わず(奈落界アビス) 編成 単体(固有の存在) 宝物 ×3 特殊能力 焦熱する肉体(変則)/Searing Flesh 近接武器でチャヴァズヴァグを攻撃する全てのクリーチャーは沸騰する物質の噴霧と、クリフォト・ロードの加熱した身体の接近から1d6ポイントの[火炎]ダメージを受ける。素手打撃または肉体武器でチャヴァズヴァグを攻撃するクリーチャーは2d6ポイントの[火炎]ダメージを受ける。チャヴァズヴァグによって組みつき状態のクリーチャーは、自身のターン開始時に4d6ポイントの[火炎]ダメージを受ける。 デーモンの虐殺(変則)/Slaughter Demon チャヴァズヴァグはデーモンに対する攻撃ロールとダメージ・ロールに+4のボーナスを得、デーモンに対するクリティカル・ヒットが確定したときは×3のダメージを与える(デーモンの血統のティーフリングを含む)。チャヴァズヴァグがデーモンを殺害したとき、1時間の間デス・ネルの効果を得る。 沸騰液の噴霧(超常)/Boiling Spray 1d4ラウンドごとに1回即行アクションとして、チャヴァズヴァグは沸騰している胆汁、血液、その他の体液の爆発を、身体から数十個の染み出たぶら下がっている腸の放出物から排出することができる。沸騰する液体のこの噴霧はチャヴァズヴァグを中心とした60フィートの爆発内の全てのクリーチャーに当たる。この有毒な液体の噴霧で攻撃されたクリーチャーは10d10ポイントの[火炎]ダメージと10d10ポイントの[強酸]ダメージを受ける(反応・DC34・半減)。この沸騰液の噴霧からダメージを受けたクリーチャーは(反応セーヴに成功したか否かに関係なく)、DC34の頑健セーヴに成功するか1ラウンドの間不潔な液体によって吐き気がする状態とならなければならない。この吐き気がする状態効果は毒効果である。セーヴDCは【耐久力】に基づく。 身の毛のよだつ姿(超常)/Horrific Appearance チャヴァズヴァグの身の毛のよだつ姿に屈したクリーチャーは、突然強い熱に悩まされているかのように、体温の上昇を即座に感じる。DC28の意志セーヴに成功したクリーチャーはクリフォト・ロードの身の毛のよだつ姿から効果を受けないが、失敗したクリーチャーはその肉体が燃えるような赤またはオレンジの色合いを帯びる。影響を受けたクリーチャーは[火炎]効果に対するセーヴィング・スローに-4の永続的なペナルティを受け、[火炎]に対する脆弱性を得る。クリーチャーの全ての形の[火炎]に対する抵抗は、半分の利益となる(例えば、[火炎]に対する抵抗 30は、実質的に[火炎]に対する抵抗 15として機能する)。クリーチャーが持つまたは後に獲得した全ての形の[火炎]に対する完全耐性は抑制されるが、この場合、クリーチャーはこの身の毛のよだつ姿から他のペナルティを受けない。クリーチャーが(火)の副種別を持つ場合、この効果の影響を受けている限り、その副種別を失う。これは[精神作用、呪い]効果である。 汚れた復活(擬呪)/Tainted Resurrection チャヴァズヴァグがリザレクションの擬似呪文能力でクリーチャーを復活させると、生き返ったクリーチャーは堕落し、属性が混沌にして悪の方向へ1段階ずれる。クリーチャーは全てのクリフォトの擬似呪文能力と超常能力の攻撃に対するセーヴィング・スローに-4のペナルティを受ける(このペナルティは永続的であるが、クリーチャーが死亡し、チャヴァズヴァグ以外の方法で復活した場合は取り除ける)。チャヴァズヴァグによって復活したクリーチャーは憑依クリーチャーの腐敗のテンプレ―トを得る(Pathfinder RPG Horror Adventures 250)。 黄泉がえり(変則)/Rejuvenation チャヴァズヴァグが殺害された場合、彼の精神はアビスの聖域にある多くの沸騰する胆汁の湖の一つに射出され、そこで1d10日間に渡ってクリフォト・ロードの周囲に新しい身体が成長する。この期間中、チャヴァズヴァグは生態的には生きてはいるが、動けず、湖に浮かぶ以外のアクションをとることはできない。完全に再生するのに必要な1d10日が経過する前にこの新しい身体が殺害された場合、チャヴァズヴァグは永遠に殺害される(ただし、この沸騰した胆汁の湖には、危険なクリフォトや、チャヴァズヴァグの身体を防衛し保護することができる他の怪物が跋扈していることに注意せよ)。この黄泉がえりの能力は、ほとんどのクリフォト・ロードが持っている黄泉がえり能力と置き換える(231ページ参照);チャヴァズヴァグは追跡し簡単に永続的に殺害されるが、彼の黄泉がえり能力は多元宇宙のどこででも機能する。 チャヴァズヴァグは、脂ぎっていてズルズルと這い進む腸と内臓の聳え立つ塚が、カミソリのように鋭い突端まで先細っている5本のすらりとした脚の上に乗っているかのように見える。はらわたの何本もの引き攣る蜷局と縄が震える巨体からぶら下がっており、全身が熱を帯びて蒸気を放ち輝いている。“這い進む地獄/Crawling Inferno”として知られるこの巨大なクリフォト・ロードは触れただけで肉に火をつけ、その存在は[火炎]に対する完全耐性のあるクリーチャーを生きたまま燃やしてしまう。チャヴァズヴァグは身長50フィート、体重20,000ポンドである。 他のクリフォト・ロードとは異なり、チャヴァズヴァグはデーモンを生み出す罪深い魂とのではなく、デーモンとの戦いに集中することを選択した。このことから、チャヴァズヴァグは定命の崇拝者に対してクリフォト・ロードとして知られる中で最も敵対的ではないが、それでもこのクリフォト・ロードは彼を崇拝する「下級の存在」の健康と繁栄に対して長期的には無関心なままである。 チャヴァズヴァグのアビスの聖域は、アビスの深い巨大な地下洞窟にある巨大なクレーターが散らばった荒れ地である。これらのクレーターの多くは胆汁と滲出液で満たされており、沸騰している熱気のある湖では奇妙なクリーチャーが液体を攪拌し濁らせ泡を吹いている。何マイルも上の天井の一部が床に落下し衝撃を与えるがため新しいクレーターが常に形成されている。やがて、その絶えず崩壊している天井が遥か上部にある他のデーモンの領域での地盤沈下を引き起こしたり、あるいはアストラル界まで突破口を開きさえする可能性があり、チャヴァズヴァグの信者はそうなった時点で己の神は力を増して神格になると信じている。 チャヴァズヴァグの教団 Chavazug s Cult チャヴァズヴァグは崇拝者たちに這い進む地獄として知られており、崇拝者たちはこのクリフォト・ロードを焼却と怪物的な再起の守護者として崇拝している。チャヴァズヴァグの典型的な崇拝者にとって、予期せぬ自然発火で死に、その歎願者の燃える破滅によって残された流れる灰の中から恐ろしいモンスターが何らかの形で生まれることほど完全化に近いものはない。これらの崇拝者は、このような運命が奉仕の報酬であると信じており、自分でこのような発火を起こそうとはしない。チャヴァズヴァグの崇拝者は、孤独な狂人、放火犯、サディストである傾向があり、焼き立ての肉の息苦しい香りや、建物や森を焼き尽くすような大火の催眠的な輝きと同じくらい、無力な犠牲者を燃やすことを楽しむ。チャヴァズヴァグの聖域は建物が燃え尽きた跡である――特にデーモンの崇拝がかつて行われていた建物の。 チャヴァズヴァグのシンボルは燃える触手のルーンであり、好む武器はヘヴィ・フレイルである。混沌、悪、火、安息の領域と灰、エントロピー、煙、魂の副領域の使用権を与える。
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ここに作品タイトル等を記入 更新日:2021/12/21 Tue 22 07 47NEW! タグ一覧 セブンスカラー 紫水龍香 魔龍少女 今回のあらすじを担当する雲原ですっ!前回は社長の弟さんの龍斗さんが妹さんの龍香ちゃん達を襲撃したんだよねっ! その圧倒的な力にピンチな龍香ちゃんを救うべく社長は突然現れた亡くなった昔の友達とそっくりな女の子の力を借りて救援に向かうけど龍斗さんの真意を知った社長は……ってうわぁ〜!!頑張れ社長!負けないで〜〜!どうなる第二十三話!? 「龍賢君。大丈夫?」 シードゥスとの戦闘後。何とか強敵を打ち倒し、ボロボロになって疲労のあまりその場に座り込む龍賢に深春が声をかける。 「深春…か。大丈夫だ。ちょっと疲れただけだ。」 「その割にはボロボロに見えるけど?」 深春は屈んで龍賢と視線を合わせる。視線を合わせられ、少し照れ臭くなり、視線を逸らそうとする龍賢に深春は。 「正直に言って?」 鼻を指でつつく。龍賢は目を丸くし、言い淀むが。 《諦めろ龍賢。こりゃ勝てん。》 カノープスが諭すように龍賢に言う。それを聞いてハァとため息をつくと、苦笑いを浮かべて。 「……疲れた。正直、立つのもしんどい。」 「よく言えました。」 深春は立ち上がると、龍賢に手を差し出す。 「龍賢君はさ、一人で何でも抱え過ぎ。龍斗君や嵩原さんにもっと頼ったっていいんじゃない?」 「…肝に銘じておく。」 龍賢はそう言って深春の手を取ると、立ち上がる。そして深春の肩を借りて二人は歩き出す。 「今日だって勝手に一人で戦って。皆心配してたんだよ?」 「すまない。……それでも、俺は皆を守りたい。龍斗も。龍香も。皆も。……君も。」 龍賢の言葉に深春が龍賢を振り返る。その顔は夕焼けのせいか──酷く朱に染まって見えた。 深春は少しポカンとするが、クスッと笑うと龍賢の背中を叩く。 「そう。ありがと。皆、守ってくれるんだね。」 「………約束だ。」 「うん。約束。」 二人はそう言いながら夕焼けに染まる道を歩いて帰った。 「……あのさ、スゴいムカつく話だけど。あの魚野郎に気絶させられてから記憶がないんだけど。」 「う、うん。」 疲労のせいか気絶し、休憩室で寝込む龍賢以外が集合したミーティングルームで復活した雪花が龍香にヒソヒソと話し掛ける。 ヒソヒソ話す二人……と言うか全員の視線の先には火元が出した紅茶を啜る長い三つ編みの少女と機械の鳥がいた。 「……誰?コイツ。」 「誰とは随分な挨拶だな!!だが聞かれてしまったからには答えねばなるまいて!」 「うるさっ。」 雪花の質問にその少女は仰々しく立ち上がると。 「私の名前は結衣月乃助。これから君達と共に戦う天才の名前だ。そしてこっちがパートナーのピーコック。よろしく頼むよスノーガール。」 「ねぇなんかウザいんだけどコイツ!!言葉だけじゃなくて立ち振る舞いも!」 「また随分と濃いのが来たな……。」 皆がジト目で月乃助を見る中、山形が尋ねる。 「貴方のことは海原さんから聞いたけど…。ところで……さっきからその海原さんから通信が来ているんだけど。出ないの?」 山形が視線を下ろすとさっきから振動しっぱなしの通信機が机に置いてあった。 しかし月乃助はフン、と鼻を鳴らすと。 「その通信に私は出ないよ!十中八九怒られるからね!」 「あっ、はい海原さん?山形ですけど。」 「ちょちょっわーっ!?」 通話に出る山形。月乃助が全力で止めようとするが、山形はヒョイとそれをかわす。 『月乃助!何故何回も連絡したのに通話に出ない!?』 案の定と言うべきか、珍しく怒ってる様子の海原に月乃助は冷や汗を流しながらも、髪をかき上げて。 「いい加減、裏方に徹するのは飽き飽きしてきたのでね!丁度良い機会だから我らも参戦させて貰うことにしたのだ!」 《そう言うこと。》 『君達は勝手にいなくなられると困る立場の人間ということを自覚してくれ!?』 何故か怒られてるのに偉そうな一人と一機。それよりも海原の発言に疑問を覚えたのか、赤羽が山形に尋ねる。 「ねぇ、彼女そんなに上の立場の人間なの?」 その質問に山形は少し言い淀んで。 「あー、……その、信じられないかもしれないけど雪花の“デイブレイク”の武装と赤羽の装備一式作成したのこの娘よ。」 「「えっ」」 雪花と赤羽が驚きのあまり声を出す。その様子に彼女はフフンと胸を張り。 「そうだ!君達の装備を作成したのは何を隠そうこの私だ!!もっと敬いたまえ!」 「嘘でしょコイツが!?」 《まぁ、正しくはワタクシとの共同制作だがね。》 今度は機械の鳥が翼を広げてアピールする。 「……あの、この鳥さんは?」 《私はピーコック。かつてシードゥスだったものさ。肉体を失くして今はこの通り機械の身体だがね。》 龍香の質問にピーコックは自分の身体をこれでもかと見せつけるようにアピールする。 《……お前、随分と変わったな……。》 《それはこっちの台詞だが?ヘアアクセになってるじゃないか君。》 どうやら肉体があった時代に面識があったようで、カノープスがピーコックに話し掛ける。 「とにかく、今回の一件で私がどれだけ天才かは分かってくれたハズだ。何せ初の実戦でシードゥス一体を撃破、今この場にいないがドラゴンボーイの支援!私がいなければもっと損害が出たかもしれぬ!」 「うっ、」 「そう言われると……。」 アルレシャにぶっ飛ばされて伸びていた二人が苦虫を噛み潰したような顔になるが、実際彼女の支援のおかげで早めに龍賢が救援に来れたのだ。 「そういう訳だ。何なら一週間の猶予でもくれればそれに見合った戦果をあげ」 「いや……君は戻るべきだ。」 突然割って入った声に全員の視線が集まる。そこには頭に包帯を巻き、壁に寄りかかる龍賢がいた。 「お兄ちゃん!大丈夫なの!?」 「龍賢さん、まだ安静にしていないと。」 「……大丈夫だ。この程度……。」 龍香と火元が龍賢に駆け寄る。だが、大丈夫だと言う龍賢に月乃助は少しつまらなさげに尋ねる。 「大丈夫なら問題ないが、私に戻れ、と言ったか。」 「あぁ。君が万が一倒れた場合、我々“新月”にどれだけの損失か考えるまでもない。海原さんの考えは正しい。それにいざとなれば俺が……」 「その割には随分と傷だらけに見えるがね。」 龍賢の言葉を遮り、月乃助は龍賢から視線を落とし、自分の三つ編みを指でくるくると回すように弄りながら言う。 「それに、君は随分と嘘が下手だな。正直に言ったらどうだ?君は私に妹を重ねているのだろう?」 「!」 その言葉に龍賢の目が見開かれる。知られざる兄の過去の一端に龍香は尋ねる。 「妹?」 「……二年前まで、龍賢君、龍斗君と親友だった娘だよ。二年前の騒動で、亡くなったけど…。」 「お兄ちゃんの……」 林張が少し言いにくそうに龍香に伝える。 「言っておくが、私は君に気をかけられるほど弱いつもりはないんだがね。」 「…それは、君がシードゥスとの実戦経験が浅いからそう言えるだけだ。勿論今日の君の支援には感謝している。だが、もう君が戦場に」 「……はぁ、妹から頭の固い奴とは聞いていたがね。ここまでとは正直思わなかったよ。」 頭を抱えながら月乃助は龍賢を見る。そして、ハァとため息をついて立ち上がると。 「良い機会だから言っておくが。私は別に君の事を恨んじゃいないよ。無論、妹もだ。手紙や電話でちょくちょく君のことは聞いていたが実際会って、まぁ真面目な奴だと、妹が信頼するのも無理はない、位は思ったがね。」 「……何?」 困惑気味の龍賢に近づき、月乃助はその瞳を覗き込む。 「君はいつまでその焦げついた約束に拘るんだい?」 「…。」 「お兄ちゃん……。」 黙り込む龍賢。月乃助は続ける。 「一人で何でも背負い込んだって解決しなきゃ意味がない。そんなことをしたところで、いつか潰れる。」 月乃助はそう言うとポンっと龍賢の肩に手を置く。そして諭すように。 「……人に頼るのは弱さじゃない。強さだよ。」 そう言うと月乃助はミーティングルームを後にする。月乃助が出ると、ピーコックもそれに続くように出る。 「……。」 「お、お兄……ッ!」 兄に声をかけた龍香がその顔を見て驚いて目を丸くし、声が途切れる。 「お兄ちゃん……泣いてるの?」 「え……?」 龍賢は慌てて目を擦り、涙を拭う。手の甲に乗った水粒に龍賢は困惑する中、龍賢の携帯にピロリン、着信が入った音が聞こえる。 見れば二件メッセージが入っており、一つはばぁやこと、冴子さんから、夕食が出来たのでいつでも帰って来て欲しい、もう一見は雲原より、龍賢の仕事の分を全員で分担して終えたので少しゆっくり休息してほしい、との連絡だった。そのメッセージを見た時、龍賢の目からさらに涙が溢れ落ちる。 「………おかしいな。何でもないことのはずなのに。涙が止まらない……。」 「……それくらい、アナタが疲れてたってことよ。」 山形が涙を流し続ける龍賢に言う。 「そうねー。ケンケン最近働き詰めだったし。気づかない内に溜め込んでたんじゃないの。」 「考えてみればボクが龍賢君の頃は遊び呆けてたし、すごく立派にやれてるとは思うけど…。」 「身体も以前と比べてやつれてる気がしますー。」 「ってか、社長と“新月”の二足のわらじでしょ?そりゃどこかぶっ壊れるわよ。」 「……やはり、一度休まれた方が。」 「えぇ。その方が良いと思う。」 皆が続々と自分に労いの言葉をかけてくる。龍賢が呆然としていると龍香が自分を見上げる。 《なぁ、俺が言えた義理じゃねぇけどよ。……もう、自分を許してやったらどうだ?お前は立派にやれてるよ。》 「カノープス……俺は。」 「お兄ちゃん……一緒に帰ろ。冴子さんがご飯を作って待ってる。」 龍香にそう言われた時、龍賢の感情が決壊する。ガクリ、と膝をつくと龍香を思い切り抱き締める。 抱きしめられて、龍香はちょっと驚くがすぐに微笑んで受け入れる。 「あぁ……そうだ。そうだな……。帰ろう。龍香。」 「うん。帰ろう。」 《おう、ちったぁマシな顔つきになったじゃねぇか。さっきよりか断然男前だぜ?》 「……。」 心の世界。龍賢の中で、トゥバンが笑いながら座り込む龍賢の肩を叩く。 「……俺は、強くなくてはいけないと思っていた。」 《あ?》 トゥバンが疑問符を浮かべた声を出すが、龍賢は構わず続ける。 「父と約束したんだ。家族を大切にしろって言われて。だから俺は家族を守れるくらい強くなろうと思った。母を、妹を、龍斗を守れる位強く。……だが結局何も残らなかった。……きっと俺は勘違いをしていたんだ。本当に父が言いたかったのは……。」 龍賢は言う。父と最後の会話。玄関先での父の言葉の真意を。 それを黙って聞いていたトゥバンは成る程ね、と嘆息すると龍賢の横に座り込む。 《俺達は案外似た者同士なのかもしれないな。》 「何?」 トゥバンの言葉に龍賢が疑問の意を示すと。 《前に話したろ。俺に恋人がいたけど無視したって話。》 「あぁ…。言っていたな。」 《アイツの真意には気づいていた。それでも気づかないフリをしたんだ。なんて言うかよ、どう接していいかわかんなくなったんだ。……俺は生まれてこの方、戦いしか知らない。どうやって甘えればいいのかも分からない。こんな不器用な奴に付き合わせる必要がないと思ってた。》 トゥバンは頬杖をつき、どこか遠くを見つめてため息をつき。 《だがこの想いをアイツにちゃんと伝えておけば、良かったかもしれないと今でも思うよ。》 「……そのシードゥスは死んだのか?」 《いや、生きてる。》 トゥバンがそう答えると龍賢はフッと笑い。 「なら今度会った時に伝えたら良いんじゃないか。まだ話せるんだ。遅くないだろう。」 《そうだな。って言っても今は敵同士だから素直に聞いてくれるかどうか。》 「確かにな。」 二人でそんな風に話しているとなんとなく可笑しくなってきて、二人して笑い始める。 《案外面白い奴だよ。お前。》 「……お前程じゃない。」 そう言うとまた二人して笑う。二人の笑い声が心の世界に響際立った。 冴子さんが作った料理を囲み、遅めの夕食を龍賢と龍香の二人が取る。 「……ありがとう、冴子さん。」 「いえいえ、お気になさらず。これが私が好きでやっていることですから。」 「そう言えばばあや。何で私達を?」 龍香が問いかけると、冴子はフフッと微笑み。 「昔、貴方のお母様とお父様にお世話になっていたこともありましてね。それに実は、お二人に教鞭を取らせて頂いたこともあるのですよ。」 「ばあやが!?」 《初耳だぞそれ。》 龍香だけでなく龍賢も目を丸くして驚く。そんな二人に冴子は苦笑しながら。 「えぇ。と言っても随分昔の話ですし。」 そう言う冴子に、ふと龍香は思い出したかのように尋ねる。 「あ、そう言えばばあや冬崎さん、って人知ってる?」 龍香がその名前を出すと、冴子は驚きの表情を浮かべる。 「お嬢様、どうしてその名前を?」 「えっ、いや前にその人の孫のシオンちゃんって子と知り合って、その時にちょっとお話したんだけど。」 龍香がそう言うと、冴子は首を傾げる。 「その方は、確かに以前私と同じくお二人に教鞭を取られていた、同僚の方でしたが……確かその方の息子夫婦は事故で亡くなられてたと聞いておりましたが。まさか、お孫さんがいたとは。」 冴子さんがそう言うと、龍香は。 「そっか……シオンちゃんも。」 何処となく寂しそうに言う龍香に龍賢が謝る。 「龍香。お前には寂しい想いをさせっぱなしだな。すまない。」 「えっ、いや、でもそれはお兄ちゃんのせいじゃ…」 そう言う龍香に龍賢は続ける。 「……聞いてくれ、龍香。俺はお前を信頼していると嘘をついていた。二年前の時もお前や龍斗に心配をかけさせまい、守るためだと嘯いて何も伝えなかった。頼らなかった。だが、今になって思う。何も変わらないかも、心配をかけ、巻き込んでしまうかもしれないが。」 龍賢は龍香の目を見て言う。 「父の言う通り、ちゃんとお前達を頼り、伝えておけば、今のようにはならなかったのではないか、と。」 「お兄ちゃん……。」 《龍賢…。》 龍賢はそう言うと立ち上がる。 「明日、俺は龍斗と決着をつける。アイツがああなってしまったのは俺の責任だ。だから頼む龍香。一対一でアイツと戦わせて欲しい。」 そして頭を下げる龍賢。龍香は少し黙った後、龍賢に言う。 「うん、任せて。私信じてる。龍斗お兄ちゃんと一緒に帰ってくるのを。」 龍香の言葉に龍賢は顔を上げ、どこか憑き物が落ちたかのような凛とした表情で返す。 「あぁ。約束する。アイツは俺が連れて帰る。」 《おい、いつまでそうしてんだ?》 「……。良いだろう、別に。」 漆黒の帷が降りて辺りに蟲の鳴き声が染みる川の岸で龍斗は水面に映った自分を見続けていた。 《おいおい、今更ナーバスになったんじゃないだろうな?しっかり頼むぞ?お前は証明するんだろ?自分の方がアイツらより優れている、と。》 「……あぁ。元よりそのつもりだ。」 龍斗がそう言うと、アルレシャはなら、いいんだがな、とそれ以上追及するのをやめる。 「俺は、アイツを……」 そこまで言った時、ふと携帯に着信が入った音が聞こえる。 とっくの昔に電源などキレていたかと思っていたが、どうやらろくすっぽ触ってないお陰で微量ながらまだ電源が残っていたらしい。 誰からだ、と思い携帯を開くとそこには龍賢から、短いメッセージが一つ来ていた。 『待ち合わせの橋で待つ。』 ただ、それだけ。だがそのメールに龍斗は全身の血が沸き立つのを感じる。 《ほぉ、呼び出しとは、な。あんなにボコボコにしてやったのに今日動けるとは随分タフだな。》 アルレシャがケタケタと笑う。龍斗はその携帯をジッと見つめると、すぐにしまい込む。 「いいだろう、龍賢……決着の時だ!!」 龍斗が憤りながら、叫ぶ。だが、それを物陰で見つめる一人の少女、白龍香の姿がそこにはあった。 「……フフッ、成る程ね。なら、私がさらに盛り上げて上げるわ。」 日が昇ったものの、黒い雲がどんよりと不安を煽るように立ち込める空の下、橋の真ん中で龍賢が佇んでいた。 目を閉じて静かに待っている、その時。 「俺をここに呼び出すなんてな。皮肉のつもりか?」 「……来たか。龍斗。」 目を開けて見れば龍斗が橋の手前に立っていた。龍斗は激る憎悪を隠す事もせず、龍賢を睨む。 「懐かしいな。あの時はよくここを待ち合わせにしたもんだ。」 「あぁ。そしてここを選んだのは皮肉じゃない。」 龍賢は稲妻と共に赤い龍の装甲を身に纏い、槍を構える。 「ここ以外に俺とお前が決着をつけるに相応しい場所がないからだ。」 「……ハハッ成る程なぁ。ロマンチストなお前らしいよ。」 水柱と共に魚のような怪物に変身した龍斗もかんざきを構える。 「はぁああああああ!!」 「うおおおおおおお!!」 そして二人はお互いに武器を構えるとどちらも走り出し、互いの武器を突き出す。 お互いの武器がぶつかり合い、そのまま二人が激突する。 「また俺にやられに来たのか龍賢!!」 「………。」 龍斗は憎悪を剥き出しにしながら猛攻を加える。一方の龍賢は無言のままそれらを受け止める。 「確かに!この場こそが俺達の決着の場に相応しいな!それは俺もそう思うよ!!」 「……。」 龍斗が放つ水滴の弾丸を龍賢は槍を回して全て弾く。 「ここで、彼女に詫びさせてやる!!お前の血で!」 龍斗が振るうかんざきを龍賢は屈んで避ける。そして返す刀で、斬りかかるが龍斗はそれを腕で防ぐ。 「お前を信じた俺がバカだった!彼女を任せたのも!間違いだった!」 龍斗の怒涛の連撃。だが前の時と違い、龍賢はそれらを冷静に受け止め続ける。 龍斗はかんざきに水のエネルギーを纏わせ、それを龍賢に叩きつける。 それを龍賢が槍で受け止める。それと同時に水が弾け、龍賢は大きく吹き飛ばされ宙を舞うが、クルリと空中で回転すると、華麗に着地する。 《チッ、当たる瞬間に自分も後ろに飛んで勢いを殺したか!》 「ならば!亡海刺毘突!!」 龍斗が地面に手をやると、橋の下の川が蠢いたかと思うと次々と水柱が上がり、それらはまるで生き物のように龍賢に向けて槍となって襲い掛かる。 しかし龍賢はそれらの軌道を見切ったように時に身体を捻らせ、ステップを踏み、必要最低限の動きでそれらを回避する。 《なっ》 「軽々と……!」 龍斗の攻撃をかわした龍賢は槍を構えると思い切り龍斗に向けてぶん投げる。 「うおっ!?」 龍斗が思わず槍を武器で受け止めると同時に赤黒い雷撃が走り、龍斗の動きが制限される。 「雷激貫爪脚!!」 龍賢の飛び蹴りが自身の槍の柄頭に当たると凄じい衝撃が龍斗を襲う。 「ぐぅ…おぉ!?」 そして龍斗は致命傷こそ免れるが、龍賢の強烈な一撃が炸裂し、吹き飛ばされて地面に倒れる。 「く、くそ……!」 追撃を恐れ、すぐに立ち上がる龍斗。しかし龍賢は追撃せずに黙ったまま龍斗を見つめる。 その態度が龍斗の神経を逆撫でする。 「お前……!何故追撃しない!!俺を、俺をバカにしているのか!?」 「龍斗……。」 激昂する龍斗に龍賢が歩み寄ろうとした瞬間、何処からともなく飛んできた光弾が地面を抉り、弾ける。 「!?」 《何だぁ!?》 龍賢が下がると、龍斗の後ろから一人の少女と三人の怪物が姿を現す。 「援軍到着♡ってね。」 「トゥバン……!アタシ達を裏切った代償は高くつくよ。」 「五人がかりか……俺はいらないと思うんだが。」 「裏切り者め!貴様は今日ここで仕留める!!」 白龍香を筆頭にツォディアの面々、アンタレス、ルクバト、レグルスがその姿を現す。 《お前ら…!》 アルレシャがまさかの集結に驚く中、龍賢もジリ……と間合いを見計らって構える。 「終わりだな……龍賢。」 「……それはどうかな。龍斗。」 何?と龍斗が疑問の声を上げると同時に援軍の前の地面が弾ける。 「何奴!!」 レグルスが吼える。見れば今度は龍賢の後ろに龍香、雪花、黒鳥、赤羽が立っていた。 「お兄ちゃん達の勝負の邪魔はさせない!」 「蠍野郎……今日ここで叩き潰してやるわ!」 「援護します!」 「ルクバト……!」 現れた援軍に、白龍香は顔を顰める。 「チッ、流石に私。考えることは一緒か。」 「皆!行くよ!」 龍賢と龍斗を越えて、援軍同士でぶつかり合う。そんな中で再び一対一に持ち直した二人は構え合う。 「……お前が援軍を用意しているなんてな。」 「……あぁ。昨日までの俺ならここで一人で来ていただろう。」 そう言うと龍賢は変身を解き、元の姿に戻る。 《おいおいマジでやんのか?》 「あぁ。」 変身を解いた龍賢に、龍斗は面食らいながらも叫ぶ。 「何のつもりだ龍賢!戦いはまだ……」 激昂する龍斗に龍賢は。 「すまない龍斗。お前の言う通りだ。俺が愚かだった。」 「……は?」 龍賢の突然の謝罪に龍斗は思考が停止する。だが、龍賢は続ける。 「俺はきっとあの時思い上がっていたんだ。俺がお前達を守る立場にいるんだと。一人でやらなければならない、と。……だがそれは間違いだった。あの時ちゃんとお前を頼っていたら、家族とは守る、守られるじゃなく共に支え合って進むものだと気づけていたら……お前をそこまで追い詰めることも、龍香が傷つくこともなかった。……彼女が死ぬ事もなかった。」 「な、に、を?」 「……今まで、口だけでしか信じてやれなかった俺が言っても何も伝わらないだろう。だが、一つだけ昔と変わらない、伝えたい想いがある。」 龍賢は呆然とする龍斗に歩み寄る。 「俺は家族を、お前を愛している。その気持ちだけは今も昔も変わらない。」 そして、龍賢は龍斗に手を差し出す。 「……もう一度、俺を信じてくれないか。龍斗。」 差し出された手を、龍斗は肩を震わせながら、ジッと見つめる。 《お、おいおい!まさかと思うが今ので絆されたんじゃねぇだろうな!?こんな、馬鹿げた三文芝居で!?》 《黙ってろアルレシャ。コレはコイツらの問題だ。》 狼狽するアルレシャにトゥバンが釘を刺す。時間にしてほんの数秒。だが、二人にとっては久遠とも思える時間に感じた。 そして、その末に龍斗は………差し出された龍賢の腕を弾いた。 「!」 「今更……今更遅いんだよっ!!都合の良いこと言いやがって!一人で解決したつもりになりやがって!」 「龍斗……。」 龍斗はそのまま龍賢を突き飛ばすと、肩で息をしながら苦しげに言う。 「……戦え。俺と戦え龍賢!!もうそれしか俺達に無いんだ!!」 「……そうか。……分かったよ。」 龍斗の声に応えるように龍賢は再び鎧を纏う。そしてどちらともなく駆け出すと、お互い相手に向けて拳を振るった。 「ハァっ!」 白龍香の繰り出す斬撃を龍香は屈んで避ける。逆に龍香が振るう斬撃を白龍香は跳躍してかわす。 そして同じタイミングで互いに回し蹴りを放ち、それはお互いの胴を捉え、二人とも後退する。 「くっ……」 「ぐっ、考えることは一緒かァ。そりゃ、私だもんなぁ。」 不敵に笑う白龍香。目の前の自分と同じ顔をした敵に龍香は“タイラントアックス”を突きつける。 「……あなたは私じゃない!私はあなたみたいに人を傷つけるのを喜んだりしない!」 突きつけられた白龍香は一瞬ポカン、とした顔をした後クックックと笑い始める。 「ウヒャヒャヒャヒャ!!おいおいお前何言ってんの?良い子ぶるのも大概にしときなよ!」 笑いながら、白龍香は龍香に“タイラントアックス”を振るい、龍香がそれを防ぐと同時に顔を近づけ、囁く。 「自分に素直になれよ。皆私から奪っていく!!家族を!幸せ!平穏を!私を傷つけるモノが憎い!好きなモノは手元に置いておきたい!そうでしょう!?」 「何を言って」 「分かるのよ。私はお前なんだから。」 「黙れっ!」 龍香は一瞬で“タイラントブレイド”を取り出すと、アトロシアスへと変貌し、白龍香を殴りつける。 「くっ、ハッハッ。図星か。だから怒る!」 白龍香は頬を拭いながらも、地面を蹴って一瞬で龍香との距離を詰める。 「くっ」 「いつまで“奪われる悲劇のヒロイン”気取りなの?もう“私達は奪う捕食者”になれるのに。」 「…ッ」 「私達は強者よ!!いつまでも望まれた、押し付けられた良い子ちゃんぶる必要ないのよ!」 「わ、私はそんなこと望んでない!」 「いいや、望んでる!私が存在すること!それが貴方が心の奥底で望んでいる確かな証拠よ!」 「このッ……!」 笑いながら話す白龍香に嫌悪感を覚えた龍香はその口を黙らせるべく拳を振るう。 しかし、白龍香は先程までとは打って変わってニヤリと笑うと、その拳を受け止める。 「えっ」 「ククク……残念ね。私はあなた…。あなたが攻撃衝動や隠していた感情が現れる度……私は強くなる!」 次の瞬間、一瞬光ったかと思うと白龍香の衣装がアトロシアスのような形状へと変化する。 「なっ、」 「名付けて……ティラノカラー•プリテンダーってとこかしら!」 そう言うと白龍香は拳を振るって今度は龍香を殴り返す。 「うあっ」 殴られた龍香が後退りする。 「言っとくけど、私以外も結構ピンチみたいよ?」 白龍香の言葉に龍香が辺りを見渡すと、アンタレスの尻尾の一撃が雪花を弾き飛ばす。 「ぐあっ!」 「邪魔よ小娘!私はトゥバンと決着をつけないといけないの!」 レグルスは黒鳥の攻撃をものともせず、突進してくれる。それに気づいて飛んで逃げようとするがレグルスの放つ衝撃波に黒鳥は撃墜される。 「くっ、なんて力だ……!」 「我が同胞の力を使って敵対するなど……断罪!」 ルクバトと赤羽が肉弾戦に持ち込むが、身体の負傷が癒えていない赤羽はルクバトに次第に追い込まれる。 「くっ、この!」 「……無駄だ。お前は俺には勝てん。」 皆、防戦一方で徐々に不利になっていく。 「皆!」 「残念ね。せっかくお兄様の援軍に来たのに、ここで全滅しちゃうんだから!」 そして龍香に白龍香が襲い掛かろうとした瞬間。白龍香の足元に手裏剣のような形状の何かが突き刺さる。 「は?」 そしてカチリ、と音がしたかと思うとそれは大爆発を引き起こし、白龍香を吹き飛ばす。 「うお、お?おおお!?」 「何!?」 突然の爆発に双方が驚いていると、上空から銃弾が雪花を襲うアンタレスに襲い掛かる。 アンタレスは一旦雪花から離れてその銃弾を防御しながら後退する。 「あ?今度は何!?」 「何と言われれば答えよう!!」 上空にいる一つの人影。それにいち早く気づいたルクバトが矢を放とうとした瞬間横から機械の鳥が飛び込み、唐突に体当たりを喰らわせる。 「!」 「私は天才!人類の叡智!」 上空から落下してきた人物……月乃助は体勢を崩したルクバトを蹴ると孔雀の尾のような剣を引き抜き、レグルスに斬りかかる。 「むぅ!」 「結衣月乃助だ!」 剣を受け止めたレグルスがお返しにと腕を振るうがそれを屈んでかわすと月乃助はレグルスの顎を蹴り上げた。 たまらず後退するレグルスに対峙しながら月乃助は全員に言う。 「皆安心するといい!この私が来たからには君達の勝利は約束されたものだ!」 「……気に入らないけど、助かったわ!」 「あ、あぁ。」 「………チッ。」 月乃助が場を乱したことで、体勢を立て直した三人が月乃助の元に集まる。 「なんだかよく分からない新入りね…!」 「ぐっ……小癪な。」 「俺を足蹴に…。」 奇襲を受けた三人も一旦仕切り直す姿勢を見せる。 「結衣さん……!」 龍香に月乃助は微笑みかけると、剣をシードゥス達に突きつけて言った。 「行くぞ皆の衆!勝利を我がものにするのだ!」 「おおおおおおおお!」 「はあああああああ!」 二人が叫びながら繰り出した拳が互いの胸を抉る。その衝撃で二人は後退するが、すぐに互いに向けて走り出す。 龍賢が掴みかかるが、パワーではやはり龍斗とアルレシャの方が上なのかあっさり掴み返され、逆に柵に叩きつけられる。 「ぐっ!おおお!」 しかしトゥバンも掴みかかる龍斗に頭突きを喰らわせて怯ませると回し蹴りを叩き込む。 「ぐあっ!……このっ!」 《藪雨!!》 アルレシャの叫びと共に龍斗が腕を振るうと跳弾速の水が発射され、龍賢に炸裂する。 「ぐっ」 龍賢が一瞬怯む。 「激流葬渦!」 さらにその隙を見逃さず、龍斗が腕を前に突き出すと、そこから渦巻き状の水の塊が発射され、龍賢を吹き飛ばす。 「ぐおぁっ」 たまらず地面を転がる龍賢に、龍斗は勝ち誇ったように言う。 「言ったハズだ…!お前の動きは対策し尽くしてんだよ!」 《やっちまいな!》 龍斗はかんざき状の武器を拾い上げると龍賢に向かって近づき……それを振り下ろす。 「……」 龍賢はそれを避けて、立ち上がると龍斗に向かって駆け出す。 「無駄だと言ってるだろうが!」 龍賢に向かって、龍斗が武器を振るった瞬間龍賢は一瞬で距離を詰め、柄の部分を腕で受け止める。 「なっ」 「龍賢の動きが読める……ねぇ。」 そう言うと龍賢は紫色に染まる瞳の顔を上げる。 「なら俺の動きは読めるかなァッ!?」 意識の主導権を譲渡されたトゥバンが思い切り頭突きをかまし、怯ませるとヤクザキックで龍斗を蹴りつける。 「くぉっ!?」 《トゥバンに変わったか!》 アルレシャが叫ぶと同時にその背から水の槍が次々と飛び出し、トゥバンに襲い掛かる。 「龍賢!」 「おう!」 しかし、緑の瞳に戻った龍斗はその槍を踊るようにしてかわす。そして一気に距離を詰めると、再び紫色の瞳になり、思い切り殴りとばす。 だが、アルレシャもただでやられるハズもなくその腕を掴むと、膝をトゥバンに叩き込む。 怯んだその背に肘打ちを思い切りかまし、倒れたトゥバンをかんざきの一撃が打ち据えて、その身体を宙へと吹き飛ばす。 「ぐっ、はっ……!」 地面へと叩きつけられ、トゥバンが呻く。 《くはっ、ハハ。お前が、俺に敵うとでも思ったか!》 アルレシャが勝ち誇ったように叫ぶ。しかしトゥバンは口元を拭うと再び立ち上がる。 「やってくれるぜ…龍賢。」 《あぁ。確かに奴は言うだけはある。》 立ち上がったトゥバンは足元に落ちていた槍を蹴り上げて手に取る。 《……だが、今の俺達は一心同体だ。》 「そうだ。最強と最強が手を組んでんだ……負ける通りがねぇなぁ。」 そう言うとトゥバンは槍を構え、アルレシャを見据える。 「ふん…まだやる気のようだが……。いくら貴様が立ち上がったところで……」 「……構やがれアルレシャ。」 何?と疑問の声を上げるアルレシャに槍を構えるとトゥバンの目の色が変わる。 「……決着をつけよう。龍斗。」 「……望む所だ。」 その意図を察して、龍斗も構える。そして二人の間に一瞬流れる静寂。 そして、一陣の風が吹くと同時に二人は動いた。龍賢は思い切り槍をぶん投げて必殺技の体勢に入る。 「二度も同じ手は食うか!!」 しかしそれは龍斗のかんざきのような武器で弾き返される。 「!」 だが龍賢はさらに両肘のブレードを双剣のような形にして手に取ると、それを龍斗に投げつける。 「無駄だァッ!!」 だがそれを龍斗は弾き返す。しかし龍賢は跳躍して弾き飛ばされた槍を掴むとそれを振って、同じく弾かれた双剣を槍の切っ先に合体させる。 「織り込み済みだっ!」 「葬無死海•絶!」 龍斗が手を翳すと水柱が上がり、それらが鋭い牙を持つ闘魚となってうねりながら龍賢に襲い掛かる。その攻撃に全身を削られながらも、何とか身を捻って致命傷を回避しながら龍賢は龍斗の懐に潜り込む。 そして、お互いに武器を相手に向けて振るう。 「龍斗ォォッ!!」 「龍賢ッッ!!」 お互いの武器がそれぞれの軌道を描き、相手へと向かっていき──龍斗の一撃は龍賢の左肩を削ぎ、龍賢の一撃は龍斗の腹部を捉えていた。 「がっ……!」 「撃鉄雷龍徹甲弾!!」 次の瞬間トゥバンの槍の先端からゼロ距離で放たれた雷が龍斗を焼く。凄まじい衝撃と熱が二人を中心に放たれる。 《がっ、ガガががが!!?ぐっ、お、オオオオオオオオオオ!!》 だが、電熱で焼かれながらもアルレシャは吼え、龍賢の首を掴む。 《お、俺が!俺が負けるものか!貴様、貴様らなんぞにィィィィィ!!》 悪鬼の如き形相で、雷に焼かれながらも目の前の敵を倒そうとするその執念は凄まじいものだ。 「……龍、賢ッ!俺は!俺はァッ!!」 龍斗は叫ぶと龍賢の首から手を離し、水を纏った拳で思い切り自分に刺さった槍をへし折り、粉砕する。 「なっ」 「俺の勝ちだァッ!」 血を流しながら水を纏った手刀を繰り出す。龍賢も咄嗟にそれに対応しようとするが、身体が動かない。 だが、龍賢は叫ぶ。 「一人ではないッ!この戦い!」 次の瞬間片目が紫色に染まり、粉砕された槍の破片を握ると、龍斗の繰り出す手刀に脇腹を削がれながらもそれを思い切り振り下ろす。 「届けさせてくれぇぇぇぇ!」 《ウオオオオオオオオ!!》 振り下ろした破片が龍斗に突き刺さる。鮮血が飛び散り、グラリ、龍斗の体勢が崩れて橋の柵にもたれかかる。 《お、俺が、負ける?トゥバンに!?人間と手を組んだのにか!?》 《ったりめーだ。俺達は一心同体なんだからよ。》 「ごふっ」 龍斗が吐血した次の瞬間、戦いの衝撃で脆くなっていたのか、柵が壊れて、龍斗は宙へと身を投げる。 「龍斗!」 痛む身体に鞭打ち、龍賢が手を伸ばす。戦いの傷で意識が虚になっているのか龍斗も何となく手を伸ばす。 蓄積したダメージによって融合が解除されたのか、アルレシャと龍斗が完全に分離する。 龍賢が必死になって手を伸ばすがあと一歩足りない──と思ったその瞬間。 二人とも誰かに腕を掴まれた気がした。その腕を掴む人物は亜麻色の髪の少女で……晴れやかな笑顔で二人の腕を引き寄せ手を取り合わせる。 「君は……」 「……ぁ」 少女は二人が手を取るのを見ると、何処か満たされたような満足げな顔になり、また笑顔に戻って手を振って消える。 それは夢だったのか。それとも幻だったのか。しかし、二人の手はしっかりと握られていた。 「……君って奴は。本当に敵わないな…。」 龍賢の頬を一筋の涙が伝う。龍斗も今起こった出来事に放心状態のようだ。 《感極まってるところ悪ィけどよ!!コイツ引き上げるぞ!!全身痛ェし正直疲れてんだ!》 トゥバンの声に龍賢は、分かっている、と短く答えて龍斗を引っ張り上げる。 龍斗を引き上げると同時に下で大爆発が起こり、巨大な水柱が上がる。 「なっ」 「アルレシャがやられた!?」 「くっ……おのれ、ここは引くぞ!」 アルレシャが倒されたのを悟ったのかシードゥス達が撤収し始める。 「えっ、もう終わりぃ!?」 「お兄ちゃん…!」 白龍香はつまらなさそうに嘆息すると、兄の勝利に喜ぶ龍香に悪戯っぽく笑みを浮かべると。 「ま、いいや。今日はここまでにしといてあげる。また会う時をお楽しみに……」 そう言うと白龍香も引き上げる。その消えた後を見て、龍香は一抹の不安を覚えるが、すぐに駆け出す。 「お兄ちゃん……!」 「龍斗!…っ!龍斗!」 上がった水柱が崩れ、雨のように降り注ぐ飛沫に濡れながら、傷だらけの龍賢の腕の中で、同じく傷だらけの龍斗が横たわる。龍斗は目を細め、叫ぶ龍賢をぼんやりと見つめる。 「……死なさんぞ龍斗。お前はまだ、皆に、龍香に謝らないといけないんだ。他にもお前がやるべきことは沢山ある。だから…」 「……許せなかった。」 龍賢を見上げながら、龍斗は涙を流して己の想いを少しずつ吐露する。 「いつも……俺の前を……いくお前を。……そんな、お前に…追いつけない、俺自身も。」 龍斗は傷だらけの手を龍賢に伸ばす。龍賢はその弱々しい手を強く握りながら、震える声で言う。 「……俺は。お前らを、家族を守れる強い人間になりたかったんだ。」 「あぁ……俺も、だ。でも……」 力なく笑う龍斗に龍賢も何処か肩の荷が降りたような顔で答えた。 「そうだ。……お互いそんなものは求められてなかった。俺達はただの兄弟で。家族で。それで充分だったんだ。」 龍賢がそう言うと、龍斗も何処か清々しそうな顔になり、再び目を閉じた。 飛沫が収まり、濡れた二人の上には朧げながらも、綺麗な──虹が掛かっていた。 To be continued…… 関連作品 セブンスカラー
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石クリ経験値テーブル [#w1335e28] ショートカット [#b067cc30] 一覧 [#p741d5f9] コメント [#m794fa31] 石クリ経験値テーブル 石クエとクリップでもらえる経験値と、石クエ/クリップのみで次Lvに行ける回数(=日数)一覧です。 ショートカット 40〜/60〜/80〜/100〜 一覧 Lv 次Lv迄 クリExp 石Exp 石Sp 回数 回数(招待状) 30 63,000 - 15,800 3,200 3.99 1.99 31 68,045 - 15,800 3,200 4.31 2.15 32 73,600 - 17,900 3,600 4.11 2.06 33 79,365 - 19,000 3,800 4.18 2.09 34 85,510 - 20,200 4,000 4.23 2.12 35 92,050 - 21,400 4,300 4.3 2.15 36 99,000 - 22,700 4,500 4.36 2.18 37 106,190 - 23,900 4,800 4.44 2.22 38 113,810 - 25,300 5,100 4.5 2.25 39 122,070 - 26,700 5,300 4.57 2.29 40 130,600 - 28,100 5,600 4.65 2.32 41 139,810 - 29,600 5,900 4.72 2.36 42 149,520 - 31,100 6,200 4.81 2.4 43 159,745 - 32,700 6,500 4.89 2.44 44 170,720 - 34,300 6,900 4.98 2.49 45 182,250 - 36,000 7,200 5.06 2.53 46 194,350 - 37,700 7,500 5.16 2.58 47 207,270 - 39,000 7,800 5.31 2.66 48 221,040 - 40,200 8,000 5.5 2.75 49 235,445 - 41,400 8,300 5.69 2.84 50 250,750 - 42,600 8,500 5.89 2.94 51 267,240 - 43,800 8,800 6.1 3.05 52 284,440 - 44,900 9,000 6.33 3.17 53 302,895 - 46,000 9,200 6.58 3.29 54 322,380 - 47,100 9,400 6.84 3.42 55 343,200 - 48,000 9,600 7.15 3.58 56 365,120 - 48,900 9,800 7.47 3.73 57 388,455 - 49,700 9,900 7.82 3.91 58 413,540 - 50,500 10,100 8.19 4.09 59 439,845 - 51,000 10,200 8.62 4.31 60 468,000 - 51,500 10,300 9.09 4.54 61 514,186 - 53,500 10,700 9.61 4.81 62 564,426 - 55,300 11,100 10.21 5.1 63 618,633 - 58,800 11,800 10.52 5.26 64 677,751 - 62,400 12,500 10.86 5.43 65 742,105 - 66,000 13,200 11.24 5.62 66 811,633 - 69,800 14,000 11.63 5.81 67 887,040 - 73,600 14,700 12.05 6.03 68 968,679 - 77,500 15,500 12.5 6.25 69 1,057,360 - 81,400 16,300 12.99 6.49 70 1,153,044 100,000 85,300 17,100 6.22 4.26 71 1,257,081 100,000 89,300 17,900 6.64 4.51 72 1,437,950 100,000 97,800 19,600 7.27 4.86 73 1,640,333 100,000 106,600 21,300 7.94 5.24 74 1,866,865 100,000 115,700 23,100 8.65 5.63 75 2,119,163 100,000 125,000 25,000 9.42 6.05 76 2,400,221 100,000 134,400 26,900 10.24 6.51 77 2,712,606 100,000 143,800 28,800 11.13 7 78 3,060,712 100,000 153,000 30,600 12.1 7.54 79 3,446,869 100,000 162,000 32,400 13.16 8.13 80 3,875,270 200,000 170,500 34,100 10.46 7.16 81 4,350,544 200,000 178,400 35,700 11.5 7.81 82 4,876,697 200,000 185,300 37,100 12.66 8.55 83 5,457,952 200,000 191,000 38,200 13.96 9.38 84 6,102,480 200,000 195,300 39,100 15.44 10.33 85 6,813,012 200,000 197,600 39,500 17.14 11.45 86 7,598,918 200,000 198,300 39,700 19.08 12.74 87 8,464,893 200,000 211,600 42,300 20.57 13.58 88 9,418,742 200,000 221,300 44,300 22.36 14.66 89 10,470,584 200,000 230,400 46,100 24.33 15.85 90 11,688,300 300,000 245,500 49,100 21.43 14.78 91 13,394,199 300,000 267,900 53,600 23.59 16.03 92 14,933,072 300,000 283,700 56,700 25.58 17.22 93 16,613,613 300,000 299,000 59,800 27.74 18.5 94 18,447,312 300,000 313,600 62,700 30.06 19.9 95 20,448,750 300,000 327,200 65,400 32.6 21.43 96 22,631,232 300,000 328,200 65,600 36.03 23.66 97 25,006,212 300,000 338,800 67,800 39.15 25.58 98 27,596,408 300,000 347,700 69,500 42.61 27.72 99 30,412,503 300,000 354,300 70,900 46.48 30.15 100 66,954,000 300,000 354,300 70,900 102.33 66.38 101 267,816,000 300,000 354,300 70,900 409.32 265.53 102 535,632,000 300,000 103 1,339,080,000 300,000 104 1,750,000,000 300,000 105 - - コメント クレイジーロックの経験値テーブル雛形つくってみました -- ハムの人 Lv30以前はあんまり関係ないのでカット、それ以外の欄をとりあえず埋めました。石クリ/クリップの経験値はWiki内の情報を使用。 -- ついでに招待状を使用したときの回数も追加。 -- 102以降の石クエ報酬はどうなってるんだろう -- 名前 コメント
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【クリアリ】クリフトとアリーナの想いは Part13【アリクリ】 942 1 名前 名前が無い@ただの名無しのようだ Mail sage 投稿日 2014/09/16(火) 23 45 20.03 ID V5hvAjgr0 軽いSS。 『蜂蜜酒であなたと6月を迎えたい』 「ク、リ、フ、ト、何を隠しているの? 」 アリーナのイタズラっぽい表情でクリフトの腕を掴んだ。その様子にこうなってはもう逃げられない事を経験則で分かっていたクリフトは大きなため息を吐いた。 「蜂蜜酒ですよ、姫様。ハーブを混ぜておりますので養命酒の方が近いかもしれません」 「ふーん、味見したい」 「ダメです。これはブライ様の為にお作りしたものです」 「ケチ」 プイとアリーナは拗ねたようにそっぽを向いた。 「姫様、我儘が過ぎますよ」 「じゃ、私の為の蜂蜜酒作って、そうねリンデンの季節がいいわ」 「……、姫様。それは普通反対じゃありませんか」 「クリフト、よく分かっているじゃない」 アリーナはクリフトを仕掛けるような瞳で見上げて笑った。 「はいはい、分かりました。リンデンの蜂蜜で作らさせて頂きますよ」 「よろしい」 クリフトの首にアリーナは腕を回した。 542 名前 名前が無い@ただの名無しのようだ Mail sage 投稿日 2014/01/11(土) 04 07 35.26 ID WCnQ3rBIO 「ブライは口うるさいし頑固で皮肉屋だけど それでもブライがわたしの教育係で良かったなぁ、っていつも思ってるの もしわたしに子供が産まれたらやっぱりブライに教育係をしてもらいたいわ」 「のう、クリフトよ もしもの話だがな、もしお主が子供を作ることがあったならば、必ずお主に似た子を作るんじゃぞ? 母親にでも似られた日には、わしの命がこれ以上持たぬからの」 「ええと…あの、ブライ様 一体何のお話を?」 「………いや、なぁに もしもの話じゃよ、気にするでないわ」 511 名前 名前が無い@ただの名無しのようだ Mail sage 投稿日 2013/12/18(水) 23 39 30.54 ID WX7CY7o00 降誕祭。 毎年、アリーナはサントハイム王女としての公務として参加し、クリフトはサントハイム正教会の司祭の立場としてミサを取り仕切る為、一日拘束されていた。 そして晴れてその身が解放されるのは、日付が変わる深夜だった。 「クリフト、お疲れ様」 「姫様の方こそ、お疲れ様でございました」 ヤドリギが飾られる下で、ホッと一息をついたように、アリーナとクリフトはお互いの顔を見合わせ、微笑んだ。 「クリフト」 アリーナは少し頬を赤らめると頭上のヤドリギをゆっくりと指さした。 「ええ、分かっておりますよ。降誕祭の日に、ヤドリギの下で出会った男女は、キスをしていいと――」 クリフトはアリーナに顔を近づけた。 452 名前 名前が無い@ただの名無しのようだ Mail sage 投稿日 2013/10/30(水) 16 03 52.77 ID XVx19KRn0 「私もトルネコやミネアに続いて、DQ10の世界で何かの役に立とうと思うわ」 「姫様。それは良い考えですね。しかし何をするつもりですか?」 「私はね、真ん中に立ちはだかって、私を倒したら迷宮の先へ進んでも良いわよ!って事にする」 「えっ……」 「もちろんそこには、クリフトとブライも居るのよ。一緒に戦ってくれるわよね?」 「は、はい!是非とも姫様のお役に……!!(でも何か違うような)」 そこへブライが、 「戦った後の報酬は、何が出ますのかな?」 「!!?(思い浮かばない)」 351 名前 名前が無い@ただの名無しのようだ Mail sage 投稿日 2013/08/27(火) 21 49 35.31 ID mDdpw/Vm0 書いてみた。甘いクリアリ。 「クリフト、これなーに? 」 アリーナは神学書の間に挟まれた一枚のポートレートを、クリフトにヒラヒラさせながら見せた。 「……、姫様」 クリフトは苦笑いを浮かべながら言った。こうなっては、もう言い逃れも何も出来なかった。 「ねぇ、ねぇ、クリフト、どっちの私がかわいい? 」 アリーナはにじり寄ると、クリフトの返答を待つように、上目遣いで見つめながら首を傾げた。 「どちらと言いましても――」 予想外の質問にクリフトは、アリーナの視線を感じつつ、あさっての方向を見つめていた。 「ねぇ!! 」 「どちらの姫様もよろしいのですが―― 」 クリフトは少し腰をかがめると、頬を染めながら、アリーナの耳元に顔を近づけ、そっと囁いた。 しばらくアリーナはキョトンとしていたが、顔を赤くして幸せそうな笑みをすると、クリフトに抱きついた。 166 1 名前 小瓶 Mail sage 投稿日 2013/06/06(木) 03 27 09.87 ID lS36Q4+fO ~姫と神官の危険な戯れ~ (は、恥ずかしい…!) クリフトははたと我に返り、主君の前で股を開き、後ろ手に手をついた己の今の姿を恥じた。 そんなクリフトの思いなど気にも留めず、アリーナはにっこり微笑んで彼を見つめている。 「次は、私ね…?」 クリフトの目の前で四つん這いになったまま、アリーナはそっと彼の太股をかすめるように 右手を置いた。 「さ、次はクリフトの番よ…」 姫の言葉に、後ずさるようにわずかに左足を動かしたクリフトは、耐えられないと言わん ばかりに目を閉じた。 「駄目よ、クリフト。ちゃんと目を開けて…。私だって…もう…あっ…!」 そう言い終わる間もなく、アリーナは頬を上気させ、クリフトの身体の上に崩れ落ちた。 「は~~い、ツイスターゲーム勝者はクリフト~~!!明日の洗濯担当はアリーナに決定ね!」 「えぇ~!マーニャ、今のは無しよぅ!もう一回勝負させて!」 「だーめ!勝負は一回きり。それにもう、クリフトが色んな意味で限界でしょ。」 「色んな意味って?」 「姉さん、ツイスターのシートが鼻血の海になる前に片付けましょう。」 「そうね。」 「ねぇ、色んな意味ってなぁに?」 アリクリなちょいエロ…のはずだったんだw 私も色んな意味でドキドキしながら書きましたww 162 1 名前 ヤンデレクリフト書いてみた Mail sage 投稿日 2013/06/05(水) 10 07 47.15 ID HJQ5bJJi0 「お帰しいたしませんよ、姫様…。あなたはここで、私とともにながいときを過ごすのです」 「ク、クリフト…落ち着いて、お願い…」 「落ち着く…?落ち着いていますとも。むしろ今までよりもずっと。思い惑っていた私はもういない」 「いや、いやよ、そんな顔しないでクリフト…!」 「泣いても騒いでも無駄です、姫様。もうあなたは逃げられない」 「…っ!」 「そう…はじめからこうすればよかったんだ…」 そこにはほぼ手つかずの夏休みの宿題に埋もれたアリーナと アリーナの自主性を尊重し、夏の間中、宿題について触れなかったことを 心から後悔しているクリフトの姿があった…。 きっと姫様だって家庭教師に出された夏休みの宿題があるはず! 115 名前 名前が無い@ただの名無しのようだ Mail sage 投稿日 2013/05/24(金) 10 19 09.39 ID 4oP00vxf0 「クリフト…私、もうだめ。私の最後のお願い、聞いてくれる?」 「何をおっしゃいます姫様!最後のお願いなどと、そのような不吉なことを…!」 「でも、でも…こんな辛い思いをするくらいなら…もういっそあなたの手で…」 「いけません、姫様!弱音を吐かれるなど、姫様らしくありません!」 「クリフト!どうして!?いつも私の願いを聞いてくれていたはずなのに…!」 「す、すいません、姫様…これだけは…あなた様がどれだけお辛かろうと、私にはできません…っ」 「もうっ!クリフトのいじわる!宿題を私の代わりにやって、ってお願いするのは これで最後だって言ってるのにっ!!」 「いけません姫様。今までは仕方なく肩代わりしてまいりましたが、これ以上は姫様のためになりません。 お辛いでしょうが、頑張ってください」 「クリフトのいじわるー!!!」 53 名前 名前が無い@ただの名無しのようだ Mail sage 投稿日 2013/05/13(月) 23 31 05.05 ID okwvwWpEO 「ねぇ、クリフト。 ちょっとしゃがんでもらっていいかしら」 「…え、あ、はい」 「あのね、ライアンが言ってたの。 それでね、よく考えたら私、 クリフトにいつもちゃんとしてあげてなかったのよ。 だから今日はちゃんとしてあげようと思って」 「…ええと、あの、一体何をでしょう?」 「……ヨーシヨシ!クリフトはいつもイイコね!! いいこ、いいこっ!」 「ーーーっひひひめさまっっ!? …って、あわわ、な、撫でっ… そんな、い、いけません!!! 私の頭なぞに姫様がお手を触れるなどっっっ!」 「だってライアンから聞いたのよ、 主君のお褒めの言葉こそ、臣下の一番の喜び、って。 だけど褒め方って私よく知らないのよね。 マーニャがいつも私にしてくれるこの褒め方が 凄く嬉しかったからしてみたんだけど。 …それとも、クリフト、褒められるの、好きじゃなかった?」 「……………ぃ、いえ、その、……大変…嬉しいですがっ…!」 「ほんと?なら良かった! じゃあ、また今度いいこ、いいこしてあげるわね!」 クリフトは お座り をした! いいこ、いいこ、を受けた! お預け を ずっと し続けている… 44 1 名前 名前が無い@ただの名無しのようだ Mail sage 投稿日 44 1 名前 名前が無い@ただの名無しのようだ Mail sage 投稿日 2013/05/09(木) 21 59 09.69 ID tC7F1zAXO 「ガンガン保守るぜ!」 「…保守をガンガンしなければいけない程 人が居ないのも困りますが」 「そんな事言うんだったらお前が何かして 人呼べよ」 「私に出来る事等あまり多くはありませんが… 仕方ないですね、ザラ」 「呼んでねぇよ!むしろ人減らしてるだろ、それ」 「だって何かしろって言ったじゃないですか」 「…ザラキ以外で何かしろ「ではザ」「ザキも使うな」 45 1 名前 名前が無い@ただの名無しのようだ Mail sage 投稿日 2013/05/09(木) 23 07 56.04 ID luS9YCVH0 「バカねえ。アンタは保守なんかしなくていいの。 やるべきことが他にあるでしょ!」 「やるべきこととはなんでしょう、マーニャさん。」 「んー、例えばアリーナの部屋に夜ば…。」 「おい!ここは全年齢のスレだからな!」 「よば…?ああ、分かりました! 姫様がお呼びになられた時にはすぐに駆けつけるべく 常に待機していろということですね!その通りです! 私は姫様の臣下!主をおいて他のことにかまけようなどとは 不届きな心構えでした…お礼申し上げますマーニャさん!」 ダッシュして消えるクリフト 「…。」 「…。」 「やっぱりアンタ頑張って保守した方がいいかもね…。」 「ああ、俺もそんな気がする…。」 46 1 名前 名前が無い@ただの名無しのようだ Mail sage 投稿日 2013/05/09(木) 23 56 02.27 ID tC7F1zAXO 「それにしても、やっぱあいつって犬みたいな奴だよな 主に呼ばれれば何処に居てもすぐ駆けつけて 誉められたら幸せそうに尻尾振って どんな時も主だけをまっすぐ見つめててさ」 「うふふ、今は健気でいじらしい忠犬どまりだけどね~ …ま、そのうちバター」 「だからここは全年齢スレだっつっとるだろうがあぁァ―――!!!!」 48 1 名前 名前が無い@ただの名無しのようだ Mail sage 投稿日 2013/05/10(金) 00 50 15.08 ID ukGr44cpO 「あら、犬の話? 私、犬は大好きよ! 賢くって、忠実で、 それに足が早いから、私がどこまで走っても、 きっとどこまでもついてきてくれるもの。 寂しい時にはそっと寄り添ってくれたりするのも素敵よね。 お城に帰ってからでもいいの、 いつか飼ってみたいわ」 「いけません、いけませんぞ、姫様。 生き物の世話はそう気軽に出来るものではありませぬ。 なによりうちには既にクリフトがおりますでしょう」 「うーん、それもそうね。 残念だけど諦めるわ」 「……なあ、アリーナ。 …納得するところだっけ、今の」 「…光栄です、姫様…!(じーん)」 「……なあ、クリフト。 感動するところだっけ、今の」 36 1 名前 名前が無い@ただの名無しのようだ Mail sage 投稿日 2013/05/04(土) 13 00 43.42 ID XhbRLDfrO 「そろそろ敵の強さも半端じゃないものに成ってきたし 今日は修行日に決定! 各自1日鍛練でもして これからの長い戦いに備えて、 ここらでみんなしっかり力を蓄えて行こうぜ!」 「ええ、分かったわ! それなら今日はトレーニングとランニングと 組み手でもっと鍛えてくるわね!」 「は、では私も姫様の鍛練のお手伝いを! 一緒に強くなりましょうね、姫様」 「…この辺りはあまり敵も出て来ないみたいだし 今日は休暇日に決定! たまには1日好きなことでもして これからの長い戦いに備えて、 ここらでみんなしっかりリフレッシュして行こうぜ!」 「ええ、分かったわ! それなら今日はトレーニングとランニングと 組み手で楽しんでくるわね!」 「は、では私も姫様の鍛練のお手伝いを! 一緒にリフレッシュしましょうね、姫様」 「…………」 世間様はGWで楽しそうで何よりですというコネタ 26 2 名前 名前が無い@ただの名無しのようだ Mail sage 投稿日 2013/05/01(水) 01 57 24.95 ID J9weewZ2O この流れにあえて死にネタ。苦手な人はスルーで。 長文で地の文書いたこと無いから読みにくいです。 男は死の腕に抱かれた。 …それはあまりに突然なものだった。 「…アリーナよ。わしとて一人の父親、 お前の気持ちは分かっておるつもりじゃ。 …だが、やはりこれ以上許す訳にはいかぬ」 「お父様!!でも私はクリフトと…」 「ならぬ。…これは命令じゃ! お前からクリフトに近づくこと、触れることは金輪際禁ずる!」 王は思い出したくもない情景を思い返す。 …あぁ、あれは一体何度目だっただろうか? 「陛下、どうかご容赦下さい、 この度の事態は全て私の至らなさによるもの!」 今にも泣き出しそうな姫を庇うように 一歩前へと出た神官にも サントハイム王は首を振った。 「それ以上言ってくれるな、クリフト。 …わしはそなたを死なせたくはないのだ」 そう悲しげに告げる王の言葉に、 ついに姫は泣き崩れた。 姫と神官が奇跡的に結ばれてから1年。 突然抱きつかれて6回、 抱き締められ過ぎて3回、夫婦のあれこれで12回。 「…ですがあの時スカラが切れていることに 気づかなかった私が悪いのです! 姫様は決して悪くありません!」 「さようですじゃ、 こやつも行ったり来たりはいい加減慣れておりますわい。 何より姫様の手にかかるはこやつも本望」 「…いえ、それはさすがに本望では… …あぁ、でも姫様がお望みであれば 私の命など何度お捧げしても構いませんがっ…!」 棺桶の中と外とを往復し続ける神官の それでも幸せそうな呟きに …サントハイム王は深く深く溜め息を吐いた。 くだけちったり自分の書くクリフトの扱いもかなり酷いので自重すべきだろか 30 1 名前 名前が無い@ただの名無しのようだ Mail sage 投稿日 2013/05/02(木) 21 50 31.57 ID f34rm4YzO 「かいしんのいちげきさえ来なければ 何とか踏みとどまれるのですが…」 「やっぱりソロにはぐれメタルのよろいを 借りておけばよかったかしら」 「…待て、お前達夫婦は城内で魔王退治でも するつもりか」 「だってお父様があんまりな事を言うからよ! 私、クリフトの背中にギューって抱きついて 顔を埋めるのがとっても好きだったのに!」 「そのようにお嘆きにならないで下さい、姫様 これからは…このように ……私の方からしっかりと姫様を抱き締めさせて頂きますから…」 「…もう、クリフトったら… うふふ、でもだめよ、こんな抱き締め方じゃ 全然足りないわ! あなたの気持ちが全部伝わるくらい もっともーっと力をつけてくれなくっちゃダメ!」 「姫様… かしこまりました、このクリフト、姫様をご満足させられるよう 命の限り精進致します!」 「…………のう、ブライよ そなたのヒャドで多少は城内も涼しくなるかのう」 「…マヒャドでも無理でしょうな わしがマヒャデドスを習得するまでお待ちくだされ、陛下」 続けてみた …自重って難しいよね 15 1 名前 小瓶1/2 Mail sage 投稿日 2013/04/29(月) 01 18 18.05 ID XW8CsbGfO もうすぐテンペの辺りで小ネタ。 「そろそろテンペの村ね。あ、そうそう、クリフト。これから町や村では 『姫様』って呼ぶのはやめてね。サランでは私のことがよく知られていた から視察ってことにしたけど、この旅はあくまでも私の力試しのお忍びの旅 なんだから!」 「は、はい。かしこまりました。では、なんとお呼びすれば…?」 「割とよくある名前だし、王女と思われることはないと思うから、普通に アリーナでいいわよ。」 「そ、そんな畏れ多い…!」 「いいから!」 「で、では…あ、アリーナ…」 「……!」(クリフトはマヌーサをとなえた!アリーナはまぼろしにつつまれた!) 16 1 名前 小瓶2/2 Mail sage 投稿日 2013/04/29(月) 01 20 37.80 ID XW8CsbGfO 「姫様?」 「(あれ、私なんで今ドキッとしたのかしら…?)う、うん。そんな感じでいい かな。え~っと、じゃあ私も呼び方を変えなくちゃね。ブライは『おじいちゃん』 で良いとして、クリフトは…『おにいちゃん』?」 「!!!(姫様で妹萌え!?)」(かいしんのいちげき!クリフトに500のダメージ!) 「あ、村が見えてきたわよ!…あら?クリフトは??」 (へんじがない。ただのしかばねのようだ。) クリフトが棺桶過ぎて前に進まないwww 13 1 名前 小瓶 Mail sage 投稿日 2013/04/28(日) 21 37 56.58 ID W9efhjRfO 萌え萌え&規制巻き込まれorzしてるうちに新スレ! いつも幸せをありがとうございますv 前スレでのお風呂が気になったので、旅の初日で小ネタ。 「ねぇ、クリフト、教えてほしいことがあるんだけど…」 「はい、姫様、なんでしょうか?」 「服の着替え方なんだけど…」 「えっ!き、着替えっ!!?」 「それと、お風呂の入り方。」 「お、おふっ!!!?」(かいしんのいちげき!クリフトに500のダメージ!) 「今まで侍女に全部してもらってたから、わからなくて。クリフトにこんなこと 聞くのもって思ったんだけど、ブライに聞いたら『そのようなこともできぬとは!』 って怒られちゃいそうだし…。ねぇ、ちょっと!クリフト、聞いてる?」 (へんじがない。ただのしかばねのようだ。)
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(森の中の静かな図書館) 更新日:2020/04/16 Thu 10 38 54 草を踏みしめる靴の音と、幼い少女の歌声が聞こえる。 「ファイトのい~みはにくしみっじゃな~い♪守りたい~のは、みんなで描く夢なぁ~んだ♪きずつい~てもたおれてぇ~も助け合えるみっちをさぁがそぉ~!」 歌っている少女---------優木リリは、手に持った棒を降りながら楽しそうに歩いていた。 傍らに暗い雰囲気の女の子が一人いる。 暗い雰囲気の女の子が、リリに声をかけた。 「ねえリリ、本当にこっちでいいの?人もいなくなってきたよ?」 「ムム、大丈夫だよ!看板があったもん!駐車場はこっちですって!」 リリはムムに笑いかけた。 二人は今日、学校の遠足でイチゴ狩りに来ていた。初めはクラスメイト達と歩いていたが、ムムが遅れ、それを心配したリリが駆け寄り、気付いたときには迷子になっていたのだ。 「ほら!あそこ!あのトンネルの向こうだよ!」 「え?凄く暗いトンネルだけど大丈夫?」 困った二人は取り敢えずバスの所まで帰ろうとしたのだが・・・ 「来たときトンネル通ったでしょ!あそこで間違いないって!」 「で、でも・・・熊とかいたらどうしよう?」 「大丈夫だって!わたしの女児符号があるんだから!まかせといて!」 リリは自信ありげに胸を叩いた。どうやら、相当自信があるようである。 「リ、リリがそう言うなら」 ムムも覚悟を決めたのか、鋭い目でトンネルを見つめた。 「あたしから離れないでね」 「ムム、こわいの?」 「あなたが危険な目に会うかもしれないのが怖いの」 ムムはリリの手を握り、初めの一歩を踏み出した。 その日、少女にとってはいつも通りの朝だった。 朝起きて、顔を洗って猫と戯れ、朝食にアップルパイを食べて猫と戯れ、本を読みながら猫と戯れ。 空気が変わったのはお昼時、お気に入りの本の丁度一番好きな場面を読んでいた時の事だった。 彼女は億劫そうに本から目を逸らす。 「お客さん・・・?」 どんな人間がこんな森に入り込んだのか? 「迷いこんだのは多分三人、女の子で、今家の近くをうろついてるわ・・・」 少女がそう呟くと同時に、玄関の方から音がなった。 「やっぱり・・・」 少女はため息混じりに背伸びする。 「あれ・・・?」 置いてあった鏡の奥に、見知らぬ女性の姿が見えた気がしたが、目を擦るといなくなっていた。 「気のせい、よね?」 読みかけの本を閉じ、恐る恐る玄関に向かっていった。 完全に迷ってしまったリリとムムは、一軒の館で道を尋ねようと試みた。 「う~ん、おるすかな?」 「だれも住んでないのかも」 リリはもう一度ノックしてみる。 「もしも~し!いたら返事してくださ~い」 建物はしーんと静まったままだ。 「やっぱり誰もいないよ、ねえ来た道を戻った方がいいよ」 「う~ん、ムムがそう言うならそうした方がいいかな?」 リリが諦めかけたその時、古いドアがギギギ…と音を立てて動いた。 「あ、あの」 ドアの中から一人の少女が顔を出し、こちらの様子を伺いながら声を上げた。 「・・・入る?」 二人を中に入れてくれた少女は、豊かな濃い緑の髪に、緑の服を着た女の子だった。 まるで眠れる森の美女が、絵本の中からそのまま飛び出してきたみたいだとリリは思った。 そういえば、この子の名前も聞いてなかったと、リリは思い出した。 「あ、あの、わたしリリ!優木リリだよ!こっちはお友だちの無藤来夢!ムムって呼んで!あなたのお名前は?」 「・・・ヤスカタ。この図書館に一人で住んでる。好きな物は読書とアップルパイとネコチャン」 「ネコチャン?」 ムムが聞き返した。 「そう、ネコチャン。他に何か知りたいことある?」 リリがお腹を抑えて恥ずかしそうに言った。 「えっと、食べ物あるかな?お腹ペコペコなの」 ここにやって来たリリと言う訪問者は、物凄い速さでシチューを平らげた。 「あ~おいしかった!」 「リリ、食べるの早すぎ」 一方のムムと言う少女は、まだ半分も食べていない。 「もう、お腹こわすよ?」 「だってヤスカタのご飯美味しいんだもん!」 まるで母子の会話のようだとヤスカタは思った。 「食べ終わったら、出口まで送るわ。この森、たまに人が迷いこむのよね・・・」 「ヤスカタは一人でいるのが好きなの?」 リリは小さな声で質問した。 「そうね、一人で本を読むのは好きよ。ここには本が沢山あるから」 「本・・・?」 ムムが顔を上げ、辺りを見渡した。 この子も本が好きなのかとヤスカタは思い、控えめに切り出した。 「良かったら見てく?」 ムムは警戒心と本を天秤にかけ、考えているようだった。 「う~ん・・・あ、あんたがそんなに見せたいなら見てってあげるわ!」 警戒心と本を天秤にかけた結果、本への興味の方が勝ったらしい。 「ムムってつんでれな所があるらしいから、気にさわったらごめんね」 ヤスカタは対して気にしていなかったが、リリの謝罪に気を良くした。 「わぁぁぁ!」 この館の大部分を占める図書館に、リリもムムも感動の声を上げた。 「リ、リリ!ちょっと探検してくる!」 珍しくムムが色めき立ち、リリを置き去りにして走っていった。 「あの子、本が好きなのね」 「本と言うか、文字を読むのが好きみたい。しんじられないかもしれないけど、ちょっと前までは何にも読めなかったんだ」 「そうなの?」 「うん、ナミって言うお姉ちゃんが、文字も読めない子は美しくないって教えてくれたの。それからだよ、ムムが本の虫になったのは」 「ふ~ん」 その時、リリはこちらをじっと見つめてくる目線に気付いた。 「あれって・・・」 目線の主は、にゃぁんと鳴きながら二人に近付いてくる。リリは叫ぼうにも叫べないため、心の中で叫んだ。 (ねこちぁぁぁぁぁん!) 高い口笛を吹くと、更に猫が寄ってくる。 リリは近寄ってきた猫の顎を撫でた。 「よしよしよし!君の名前はなぁにかな?」 『ボクの名前はシャルだよ、顎より背中撫でて!』 「おおこっちか!ふわぁぁぁぁシャルくんモフモフだぁ!」 「え、なんで分かるの?」 ヤスカタはビックリしていた。リリは得意気になる。 「んふふふ。わたし、動物達の言葉が分かるの!これがわたしの女児符号だよ!」 「ガールズ…コード?」 ヤスカタには聞き慣れない言葉のようだ。 「えぇ?!女児符号を知らないの?」 リリはビックリした。 「ええ、初めて聞いたわ」 「そうなんだ・・・女児符号って言うのはね」 リリが説明しようとした時、ムムの叫び声がした。 「リリ!ちょっと来て!」 「あら、何かしら?」 「取りあえず、行ってみよう」 ヤスカタとリリは図書館の奥に走っていったのだった。 「ミネルヴァ!」 ムムはリリの顔を見た瞬間叫んだ。 「ミネルヴァがいた!」 「ミネルバ?」 息切れしたヤスカタが途切れ途切れに質問した。 「って・・・誰なの?」 「えっとね、うちにデウスって子がいるんだけど、その子曰く、はらぐろくてイタズラ好きのわるいマジョなんだって」 ヤスカタは首をかしげた。 「そう・・・でもそんな人が入ってきたら、わたしが直ぐに気付くと思うけれど」 「あ~ら光栄、あたしの能力が高いって証明してくれたのねェ」 三人のどれとも異なる猫撫で声に、リリとムム、ヤスカタがワンテンポ遅れて振り返ると、後ろに背の高い女性がいた。 その女性は、今朝ヤスカタが鏡の中に見た女性だった。魔女のような帽子を被り、露出度の高い服を着た白髪の女だ。 「あたしがミネルヴァだよ、お嬢ちゃん」 「何しに来たのよ!このお邪魔虫!」 ムムが厳しく罵倒し、睨み付けると、ミネルヴァはケラケラ笑う。 「そんな酷い事言っても、可愛い声じゃ迫力でないわねェム~ム~ちゃん」 ミネルヴァの言葉に、ムムの顔が赤くなった。 ヤスカタはそんな様子を見ながら、頭の中に疑問符が浮かんだ。 「貴方・・・誰?」 「は?」 思わず口から出た言葉に、ミネルヴァは間抜けな声を出した。 「貴方の身体、何人もの人の・・・う~ん、分かりやすく言うと、気配がするの。普通、人間と言う生き物は一人につき一個しかない物を持ってるもの、でも、貴方からは何十個もの気配を感じるのよね、貴方は誰?」 「・・・」 ミネルヴァは押し黙り、少し考えた後、突然くるりと背を向けた。 「なんか白けたわ、か~え~る~」 「は、え、ほんと?」 まさか穏便にすむと思っていなかったのか、リリが間抜けな声をあげる。 「ええ本当よ、まぁ・・・」 ミネルヴァが楽しげな様子でくるりと一回転して見せた 「土産は置いていくけどね」 その瞬間、屋敷のありとあらゆる鏡から黒い物体が湧いて出てきた。 「バーハーハイ♪」 ミネルヴァが甲高い笑い声を上げながら、鏡の中に吸い込まれていく。 直後、緑や黄色の瞳を持つ塊が、三人に襲いかかったのだった。 「何こいつら?」 ヤスカタはムッとしながら言った。そして館に踏み込んできた不届き者を睨む。 「オン・ヤミー、悪魔の手先・・・かな?」 「そんな物よ、あんた、こいつらを追い払うために、ここで暴れてもいいわね?」 ヤスカタは肩を竦めた。 「追い払わないと住めないしね、問題はどう追い払うかよ」 「その辺は問題ないよ」 「まあ、こっちは悪魔退治の専門家だから」 リリとムムはそう答え、何か棒状の物を取り出した。 「行くよムム!」 「分かってるわ、リリ」 『マキナ・タクト・チェンジ!』 『マキナ・タクト・チェンジ!』 二人が棒を降ると、白と黒の光が二人を包んだ。 その光が二人に絡み、服装や髪型を作り変えていく。二人の持っていた棒も鎌と刺叉に姿を変え、しっかりと二人の手に握られている。 『マキナ・ディーヴァ!ただいま参上!』 『マキナ・サルタ!・・・参る!』 「わぁ・・・」 立ちどころに姿を変えた二人に、ヤスカタは目を輝かせた。 リリは真っ白な新婦を思わせる衣装に、ムムは真っ黒な新郎を思わせる衣装に変わったのだ。 『ヤスカタは下がってて!』 『あんたの家・・・あたしが守る!』 武器を構えた二人が、オン・ヤミーの群れに突っ込んでいった。 戦いは数分も立たなかった。勝利を期したディーヴァとサルタは、リリとムムの姿に戻り、辺りを見渡した。 「何とか荒らさずに倒せた・・・?」 「ええ、あなたのお陰よ。リリ」 「そ、そんな事ないよ!これはムムが女児符号を使ったからで」 「二人とも」 ヤスカタが声を上げた。 「怪我はない?」 「あ、うん」 「お陰さまで」 ヤスカタも辺りを見渡す。 「二人とも強いのね、あの変な影を全部倒しちゃって」 「そ、そう?」 年上の人からあまり褒められ慣れていないのか、ムムは照れて顔を赤くした。 「ほら、これで帰れるわ」 ヤスカタは森の方を指して言った。 「本当に?」 ムムが訝しげに聞いた。 「本当よ、嘘だと思うなら一度歩いてみたら?」 そう言うヤスカタの表情は、とても自信ありげに見えた。 「私は見送れないわ、でも安心して、絶対元いた場所に帰れるから」 「う、うん。分かった」 リリはそう言い、玄関から外に出た。 「あぁ二人とも、家から出たら絶対に振り返らないようにね」 「えぇ?!」 「あと、この事は誰にも言わないで」 「「ふぇぇ?!」」 ヤスカタの言葉に、リリとムムはビックリしたが、もう外に出てしまった為、後の祭りである。 後ろから聞こえるヤスカタの声は、若干寂しそうだった。 「大丈夫よ、見守ってるから・・・さあ、直ぐに帰った方がいいわ」 「はじめはだぁ~れもヒーローじゃなぁい!ちがう形のただちぃっぽけな星なんだ~ぶつかぁりぃあい!はげましあい!立ちはだかる!やっみをこぉえよぉ~!かなしみなんか、ない世界!あいをあきらぁめたくない!どんななみだもかならずかぁわく!ぼくらがかえてく未来!きずなはとぉぎぃれはしない!むぅげぇんにつうづく!光の中へぇぇぇぇ!」 幼い少女の、辿々しい歌声が辺りに響いた。 歌の合間から聞こえてくる環境音が、鳥のさえずりや川のせせらぎから、車の走る音や踏み切りの音に変わっていく。 「わぁ~本当に帰ってこれたね!」 「本当に帰ってきたって言うか」 二人が森を歩いていくと、見慣れたいつもの光景が目に飛び込んできた。 そこはリリの家だったのである。 その後、二人は心配して怒ったリリの母からも、担任の先生からも怒られる事になったのだが、あの森で行方不明になった時、どこで何をしていたのかは絶対に言わなかったと言う。
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ミミクリ・チャージャー UC 自然文明 (4) 呪文 ■バトルゾーンにあるクリーチャーを1体選ぶ。バトルゾーンにある自分のクリーチャー1体は、そのクリーチャーになる。 ■チャージャー 作者:切札初那 サイクル NDM-06の4コストチャージャー呪文。 《バリアント・チャージャー》 《アリスメチック・チャージャー》 《トキシック・チャージャー》 《エクセス・チャージャー》 《ミミクリ・チャージャー》 フレーバーテキスト 収録 NDM-06 「冒険編 ステージ1 ダークモナーク洞窟」 名前 コメント
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《クリボーの印章(いんしょう)》 通常魔法 デッキから「クリボ」と名のついたレベル1モンスター1体を手札に加える。 自分フィールド上に「クリボ」と名のついたモンスターが存在する場合、カードを1枚ドローする。 関連カード クリボ
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【クリアロン】 花王の泡状洗浄剤。 特徴 アルカリ性の洗浄剤。パワークリンキーパー高速すすぎも同様 Kaoフォームガンに入れて使用 使用時について 全製品とともに作業する時に、基本的には保護メガネ、炊事用ゴム手袋、マスクのほかに、衣服につくと厄介なので保護エプロンの着用、 そして、足元まわりにも洗浄剤が付着するので、ゴム長靴(白色の耐油性ゴム長靴、靴底がアメ色)を必ず着用しなければならない パッケージの推移 過去 保護メガネ・炊事用手袋・マスク着用 現在 保護メガネ・炊事用手袋・マスク・保護エプロン・ゴム長靴着用 種類 クリアロンワイドフォーム 15kg(BIB) クリアロンワイドフォーム? 20kg(18L) クリアロンワイドフォームハード汚れ 24kg(20L)
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石クリ経験値テーブル [#w1335e28] ショートカット [#b067cc30] 一覧 [#p741d5f9] コメント [#m794fa31] 石クリ経験値テーブル 石クエとクリップでもらえる経験値と、石クエ/クリップのみで次Lvに行ける回数(=日数)一覧です。 ショートカット 40〜/60〜/80〜/100〜 一覧 Lv 次Lv迄 クリExp 石Exp 石Sp 回数 回数(招待状) 30 63,000 - 15,800 3,200 3.99 1.99 31 68,045 - 15,800 3,200 4.31 2.15 32 73,600 - 17,900 3,600 4.11 2.06 33 79,365 - 19,000 3,800 4.18 2.09 34 85,510 - 20,200 4,000 4.23 2.12 35 92,050 - 21,400 4,300 4.3 2.15 36 99,000 - 22,700 4,500 4.36 2.18 37 106,190 - 23,900 4,800 4.44 2.22 38 113,810 - 25,300 5,100 4.5 2.25 39 122,070 - 26,700 5,300 4.57 2.29 40 130,600 - 28,100 5,600 4.65 2.32 41 139,810 - 29,600 5,900 4.72 2.36 42 149,520 - 31,100 6,200 4.81 2.4 43 159,745 - 32,700 6,500 4.89 2.44 44 170,720 - 34,300 6,900 4.98 2.49 45 182,250 - 36,000 7,200 5.06 2.53 46 194,350 - 37,700 7,500 5.16 2.58 47 207,270 - 39,000 7,800 5.31 2.66 48 221,040 - 40,200 8,000 5.5 2.75 49 235,445 - 41,400 8,300 5.69 2.84 50 250,750 - 42,600 8,500 5.89 2.94 51 267,240 - 43,800 8,800 6.1 3.05 52 284,440 - 44,900 9,000 6.33 3.17 53 302,895 - 46,000 9,200 6.58 3.29 54 322,380 - 47,100 9,400 6.84 3.42 55 343,200 - 48,000 9,600 7.15 3.58 56 365,120 - 48,900 9,800 7.47 3.73 57 388,455 - 49,700 9,900 7.82 3.91 58 413,540 - 50,500 10,100 8.19 4.09 59 439,845 - 51,000 10,200 8.62 4.31 60 468,000 - 51,500 10,300 9.09 4.54 61 514,186 - 53,500 10,700 9.61 4.81 62 564,426 - 55,300 11,100 10.21 5.1 63 618,633 - 58,800 11,800 10.52 5.26 64 677,751 - 62,400 12,500 10.86 5.43 65 742,105 - 66,000 13,200 11.24 5.62 66 811,633 - 69,800 14,000 11.63 5.81 67 887,040 - 73,600 14,700 12.05 6.03 68 968,679 - 77,500 15,500 12.5 6.25 69 1,057,360 - 81,400 16,300 12.99 6.49 70 1,153,044 100,000 85,300 17,100 6.22 4.26 71 1,257,081 100,000 89,300 17,900 6.64 4.51 72 1,437,950 100,000 97,800 19,600 7.27 4.86 73 1,640,333 100,000 106,600 21,300 7.94 5.24 74 1,866,865 100,000 115,700 23,100 8.65 5.63 75 2,119,163 100,000 125,000 25,000 9.42 6.05 76 2,400,221 100,000 134,400 26,900 10.24 6.51 77 2,712,606 100,000 143,800 28,800 11.13 7 78 3,060,712 100,000 153,000 30,600 12.1 7.54 79 3,446,869 100,000 162,000 32,400 13.16 8.13 80 3,875,270 200,000 170,500 34,100 10.46 7.16 81 4,350,544 200,000 178,400 35,700 11.5 7.81 82 4,876,697 200,000 185,300 37,100 12.66 8.55 83 5,457,952 200,000 191,000 38,200 13.96 9.38 84 6,102,480 200,000 195,300 39,100 15.44 10.33 85 6,813,012 200,000 197,600 39,500 17.14 11.45 86 7,598,918 200,000 198,300 39,700 19.08 12.74 87 8,464,893 200,000 211,600 42,300 20.57 13.58 88 9,418,742 200,000 221,300 44,300 22.36 14.66 89 10,470,584 200,000 230,400 46,100 24.33 15.85 90 11,688,300 300,000 245,500 49,100 21.43 14.78 91 13,394,199 300,000 267,900 53,600 23.59 16.03 92 14,933,072 300,000 283,700 56,700 25.58 17.22 93 16,613,613 300,000 299,000 59,800 27.74 18.5 94 18,447,312 300,000 313,600 62,700 30.06 19.9 95 20,448,750 300,000 327,200 65,400 32.6 21.43 96 22,631,232 300,000 328,200 65,600 36.03 23.66 97 25,006,212 300,000 338,800 67,800 39.15 25.58 98 27,596,408 300,000 347,700 69,500 42.61 27.72 99 30,412,503 300,000 354,300 70,900 46.48 30.15 100 66,954,000 300,000 354,300 70,900 102.33 66.38 101 267,816,000 300,000 354,300 70,900 409.32 265.53 102 535,632,000 300,000 103 1,339,080,000 300,000 104 1,750,000,000 300,000 105 - - コメント クレイジーロックの経験値テーブル雛形つくってみました -- ハムの人 Lv30以前はあんまり関係ないのでカット、それ以外の欄をとりあえず埋めました。石クリ/クリップの経験値はWiki内の情報を使用。 -- ついでに招待状を使用したときの回数も追加。 -- 102以降の石クエ報酬はどうなってるんだろう -- 名前 コメント
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ここに作品タイトル等を記入 更新日:2022/10/07 Fri 22 50 27NEW! タグ一覧 セブンスカラー 「そんな……!」 目の前で魔龍少女に変身した天願を見て、龍香から唖然とした声が出る。 「なんだってコイツが変身出来てんのよ!」 予想外の展開に雪花舌打ちする中、天願はニコニコと笑いながら龍香へ手を差し出す。 「ほら、龍香さん。こっちに来て。私が守ってあげるから。」 「へ?」 手を差し伸べて微笑む彼女に龍香は呆気に取られる。しかし、一方の雪花は彼女をジッと見つめたまま警戒する姿勢を解かない。 「大丈夫だよ龍香さん。私こう見えても強いんだから。さっきだって、ほら。」 彼女はそう言ってスマホを取り出すと画面をスクロールしてある写真を見せる。 そこに映っていた傷だらけで怯えた表情の三人の少女……黒衣達を見て二人は思わず絶句する。 だが、彼女はウットリとした様子で続ける。 「最高だわ。この力。今まで私をいじめてきた人達全てが私に泣いて謝るんだから。」 《いいぞ。良い心の闇だ……。もっと、もっと力を求め、心の闇を増幅させろ…。》 彼女の頭についたヘアアクセ……カノープスが彼女を増長させるかのように促す様を見て、龍香が叫ぶ。 「カノープス!何で彼女に取り付いてるの!?私を忘れちゃったの!?」 龍香が語りかけるが、カノープスはチラとも反応しない。彼女の事など眼中にない様子だ。 そんな龍香に天願が近寄ろうとした瞬間。 「動かないでっ!!それ以上こっちに近づいたら撃つわっ!」 雪花が龍香の前に立ち、天願に銃を向ける。銃を向けられた天願はその歩みを止め、笑みが消えて真顔になる。 「雪花ちゃん…!」 「……なんの真似かしら?」 「狙いはなんだか知らないけど、人を傷つけた事を誇らしげに語る奴とは仲良くする趣味はないのよ…!龍香!離れなさい!」 雪花の言葉に龍香が下がろうとしたのを見て、天願が呟く。 「そう……貴方もあの人達のようになりたいのね?」 次の瞬間大きく地面を蹴った天願が雷鳴の如き踏み込みで雪花へと迫る。 「なっ」 雪花もすぐさま反応して銃を撃つが、彼女の素早い動きを捉えることが出来ず、放たれた弾丸は明後日の方向へと着弾する。 天願はいつの間にか手斧状の武器“タイラントアックス”を握っており、雪花に向けてそれを振るう。 「貴方もズタボロにしてあげる!」 「ちぃぃっ!」 狂気の笑顔と共に繰り出された一撃を雪花は舌打ちしながらも腰のナイフを引き抜いて受け止める。 だが完全に受け止めることは叶わず、その一撃によってナイフは雪花の手元を離れて地面を転がる。 「ぐっ!」 「あはっ!」 さらに武器を振り上げる彼女を見て藍はライフルを構えると振るわれた一撃をライフルで受け止める。 その一撃はいとも簡単にライフルをひしゃげさせるが、斧を捌いた雪花はすぐさまライフルを捨てて拳を振りかぶると思い切りそれを彼女目がけてフルスイングでお見舞いする。 「うあっ!」 藍が振るう拳を受けて、天願は数歩下がる。 「力だけで、戦い方がてんで素人なのよ!」 さらに雪花の蹴りが決まり、またさらに天願は後退させられる。その隙に雪花は転がっているナイフを拾い上げて構える。 手痛い仕返しに天願は悔しそうに雪花を睨む。 「ぐっ……」 《恐るな…冷静になれ。我等に貴奴の攻撃は効かない。》 カノープスの言葉に天願はハッとなり、雪花が顔を顰める。 「確かに……びっくりしたけど、痛くない……。」 《ドンと構えろ。我等の防御力はあの程度の攻撃など造作もなく受け止められる。》 「チッ。聞いてないの…!!」 雪花の悔しがる素振りを見て、ふふっと天願が笑う。 「……さっきはよくもやってくれたわね。」 “タイラントアックス”を再び構える天願。さらにカノープスが続ける。 《貴様らの相手は我等だけではない。そろそろ劇的な舞台の一幕を開けるとしよう。》 次の瞬間、カノープスの目が一際大きく輝いた。そして彼女の後ろに立つ六人の影に二人は驚きのあまり目を見開き、声が漏れる。 「そんな……っ」 そう。そこにいたのは、前の世界の武装を構え、変身したかつての戦友達──黒鳥、赤羽、龍賢、月乃助、龍斗、龍姫の姿だった。 「はぁぁっ!!」 一方、影の兵士達に足止めを食らっていた彼らにも動きがあった。 「真っ黒クロスケのパチモンが調子乗っとんちゃうぞコラァッ!!」 むらサメが繰り出した巨大な拳の一撃が、影の一撃を弾きながら痛烈な一撃を与える。 あまりに巨大なダメージを受けた影はスゥと透明になって霧散する。 「どんなもんじゃいっ!!」 「やったねむらサメちゃん!」 ガッツポーズをするむらサメとそれを喜ぶきゅーばん。 一方のデヴァも次々と蹴りを、拳を、変幻自在に繰り出す半仮面とマントの影の攻撃を剣で捌いていた。 そして中々決着がつかないことに焦れた影の攻撃がほんの僅か、大振りになったのを彼は見逃さなかった。 「──勝機ッ!!ここだっ!」 一瞬の隙を突いたデヴァの振る剣の一閃が影を袈裟斬りに斬り裂く。霧散する影を見ながら、彼はふぅと一息つく。 「危なかった……そうだ、彼女達は…。」 デヴァが辺りを見回していると、ドォンという轟音と共に土煙が舞い上がり、その中から二人の影が飛び出す。 シェーンとシャドウマンだ。 「チッ、影共がやられたか!」 「フッ!」 シェーンが一瞬よそ見をした彼女に正拳突きを繰り出す。その拳は正確にその身体を貫いた……ハズだった。 「!」 「どうした?俺には何のダメージもないぞ。」 ニヤリと笑うシャドウマン。確かに当たっているのに当たったという手応えがない。まるで影でも触れているかのような無感触にシェーンが違和感を覚えると同時に彼女の右腕が鋭い刃物のように変形し、シェーンに振るわれる。 「ッ!」 それをシェーンは皮一枚でかわすと同時に反撃の後ろ回し蹴りを放つが、またしてもその一撃は彼女の身体をすり抜ける。 「ふふっ。無駄だ無駄だ。俺にはそんな攻撃は効かん。」 シャドウマンが再び剣を振るう。シェーンは後ろへと大きく跳躍し、攻撃をかわしながら一旦距離を取る。 (……何故、奴の体はすり抜ける?) そしてじっくりと揺らめくシャドウマンを見据える。こっちの攻撃は当たらないが、あっちの攻撃は当たる。 「……転移?いや、幻?」 シェーンはシャドウマンが繰り出す攻撃をかわしながら彼女を見極めようと見据えたその時。 「ソイツの影を狙うのじゃ!」 何処からか声が聞こえたと同時に刃のように鋭い氷が飛んでくる。 「チイッ」 それに気づいたシャドウマンは刃を振るってその攻撃を弾いて“防御する”。 「何奴ッ!」 シャドウマンが声をかけると同時にシェーンの前に二人の人影が降り立つ。 二人の人影──不敵に笑うのじゃロリ猫と、シャドウマンを睨むエフィが構える。 「お主、まだ生きておったとはな。死んだと思ってたんじゃが。」 「あぁ。あのままだったら死んでいただろう。だが今の俺には“スポンサー”がついていてな。貴様のおかげで消し炭になりかけた身体も今やこの通りだ。」 のじゃロリ猫の言葉にシャドウマンは笑って返す。 「……その“少女”の姿も“スポンサー”の趣味?」 エフィが随分と様変わりしたシャドウマンの姿に疑問を投げ掛けると、彼女は肩を竦める。 「さぁな。不定形な俺には姿などどうでもいいことだ。それよりも重要なのは。」 シャドウマンが笑った瞬間彼女の額がパックリと割れてギョロギョロと×状の瞳を持つ目玉が蠢きながら姿を表す。 「今の俺は貴様らを容易く打ち倒せる力を手にしたことだ!」 シャドウマンがそう叫んだと同時にその目玉が強烈な光を放つ。 「きゃっ!?」 「うおっ」 あまりの眩さに全員が眼を閉じる中、光に当てられた全員の影が伸びる。そしてその影が一人でに動き出したかと思うと、無数の鞭へとその形を変形させ、彼女達に絡みつく。 「何ッ!?」 「きゃぁっ!」 あっという間に拘束され、驚く彼女達にシャドウマンは刃を煌めかせる。 「どうだ?自らの影に縛られるというのは?中々乙なものだろう?」 「ぐっ……動けへん…!!」 「うっ、ぐっ…!」 「無駄だ無駄……ソイツはお前らの“影”。決してお前ら自身で振り解く事は不可能……。」 ニヤリと笑うと彼女は刃を振り上げる。 「そして、俺は動けない貴様らを雑草でも抜くように簡単に始末すればいいだけだ。」 「…!まずいっ!」 何とかして皆を逃そうとデヴァやシェーン達が身を捩り、振り解こうとするが彼への拘束は緩まない。 「まずはお前だっ!」 ニヤリと笑うシャドウマンの視線の先には、きゅーばんの姿が。 「やばいっ!避けろ!」 悲鳴のような忠告虚しく、動けない彼女に向けて刃が飛んだ。 「な……んで。」 かつての戦友達の姿に龍香の口から困惑の声が漏れる。雪花も驚きを隠せない。 そんな二人を前にカノープスが告げる。 《どうだ?劇的な再会と言う奴だ。》 「…って言うか、何で、あんたら変身を……」 天願の後ろに立つ六人は虚で赤い瞳をしており、前の世界のようにシードゥスを纏った姿に変身している。 作り直された世界において雪花と龍香以外は記憶を失い、シードゥスが消滅したことで力もないハズなのに。 藍の言葉にカノープスが言う。 《簡単な話よ。我が事象を書き換えたのだ。》 「書き換えた…?」 《そう。我の能力は事象の書き換え。人体を銃弾を弾くほど硬くしたり、雲をクッションのように柔らかくする…そして…他人を私に忠誠を誓う僕だと認識を書き換える事もできる。彼女達はたまたま観測した“前の世界”では戦士だったようだな?》 「まさか……!」 何か勘づいた雪花にカノープスがニヤリと笑う。 《その通り。彼女達を前の世界の姿に書き換えたのだ。そして彼女達には君達を……シードゥスと認識させている。》 「……ッ!ヤバいッ、龍香下がって!!」 「え。」 そうカノープスが言ったと同時に雪花は素早くナイフを構えて龍香を後ろへと下がらせる。 それとほぼ同時に天願の後ろの六人が動く。 先陣を切った龍賢の剣が雪花に迫る。彼女はそれを受け止めるのではなく、身を屈めて回避すると同時にナイフを突き出すが、龍賢もそれを読んでいたのか薄皮一枚で攻撃を避ける。 龍賢はそのまま反撃するでもなく、地面を蹴って横へと逃げる。龍賢を影にしていたのか、目の前に赤羽が躍り出て来る。 「くっ!!」 雪花は迫るかつての仲間に一瞬躊躇うが、ナイフを突き出す。突き出されたその刃は赤羽を貫く。──その直後、雪花は違和感を感じる。そう、確実に刺したハズなのにまるで幻かのように手応えがない。 「これっ、赤羽の幻──」 雪花が気づいた瞬間には腕を突き出し、隙だらけの彼女の目の前に魚のような怪物と化した龍斗ががんざきよような武器を構えていた。 次の瞬間振るわれた一撃が雪花に炸裂し、吹き飛ばされて、近くの樹に叩きつけられる。 「雪花ちゃん!!?」 「ごっ、あぁ……!?くそっ……!」 呻きながらも雪花が立ちあがりナイフを構えた瞬間、月乃助の振るう蛇腹剣がうねり、ナイフを弾き飛ばす。そしてそれと同時に雪花の身体に蜘蛛の糸が絡みつき、拘束する。 「ッ!?これはっ、まさか……!?」 雪花が気が付いた瞬間、彼女の頭上から降りた黒い影──黒鳥が膝を彼女の背にめり込ませる。 「ぁ、がっ……!?」 倒れた雪花を馬乗りになるようにして黒鳥が押さえる。 「……ふふっ、よくやったわ。」 天願が笑みを浮かべながら、雪花へと向かっていく。雪花は黒鳥に押さえられて動けないが、せめてもの抵抗で彼女を睨む。 「……っの、野郎!皆を……!」 「そんな怖い顔しないで?貴方もお友達になりましょう?」 そう言うと天願は赤く丸い石を取り出す。 《本来俺にはここまで世界を、認識を書き換える事は不可能だ。だが、この作り直したばかりの不安定な世界、そして前の世界の住人であるお前達にはそれが可能となる。》 「……はっ、訳わかんないこと言ってんじゃないわよこのパチモン野郎……!」 「やめてっ、雪花ちゃんに何を……」 次の瞬間、天願の持つ赤い球が禍々しい光を放つ。それを見た瞬間雪花の意識が闇に包まれる。 「──ッ!?これ……はっ…!ごめ……龍……香、逃げ……」 雪花が言い終わらない内に意識を失った彼女はガクンっと項垂れる。 「雪花ちゃんっ!?どうしたのっ!?」 龍香が声をかけるが、雪花は反応しない。しかし天願が目配せをし、黒鳥がどくと、彼女はゆらりと立ち上がる。 その目は他の六人と同じように、赤く虚になっていた。 「雪花ちゃ……」 茫然と立つ彼女の肩に天願は手を置く。 「これで、貴方も私のお友達ね。」 「雪花ちゃん!どうしちゃったの!?」 龍香が雪花に近づこうとすると、他の六人の虚な視線が龍香に向けられる。 《無駄だ。最早此奴は我の操り人形よ。》 「そんなっ……!」 カノープスの言葉に龍香の顔から血の気が引く。 「雪花ちゃん!黒鳥さんっ!赤羽さんっ!お兄ちゃんっ!龍斗お兄ちゃん!お姉ちゃんっ!皆っ!返事をしてよっ!」 龍香が呼びかけるが、誰も反応を返さない。彼女の足から力抜け、彼女は座り込んで俯いてしまう。 「どうしてっ…なんでっ、こんなっ……」 《……どうやら、あっちも片付くようだな。》 龍香がふと、目をやるとそこには黒い縄のようなもので縛り上げられた彼女達に、今にも刃を振るおうとするシャドウマンがいた。 「みんなっ…!」 《無駄だ無駄無駄……今の何の力もない貴様に何が出来る……?》 「……ッ、それは……」 「ね、龍香さん。もう分かったでしょう?刃向かったっていい事ないよ。大人しく私に守られよう?」 「わ、たし…は……。」 どうしようなく絶望的な状況に龍香はただ天願と、かつての戦友を見ることしか出来ない。 目に涙を溜め、絶望に染まる彼女の表情を見て、カノープスが嗤う。 《ははっ、良いぞ。良いぞその表情!まさに負け犬にと言う言葉が相応しい。お前の作り直した世界は全て我の礎となる。光栄に思え。お前のしてきたことは、全て我の為の供物だったのだ。》 「そ、んな……わ、たし達の……戦いは……。」 項垂れる龍香の前に天願は立つと、その手を伸ばす。 「さぁ、龍香さんもこっちにおいで。今の龍香さんには誰かを守る力は、ないんだから。」 差し伸ばされた手。それを見た龍香は逡巡する。 (もう、いいかな?) 今の自分にこの状況をひっくり返す力はない。 前の世界だって死力を尽くした。自分はやれることをやったのだ。もう、諦めたって誰が私を責めるだろうか。 すっかり変わってしまった相棒。かつての友も今や敵だ。 誰がどう考えたって詰み。諦めていいよ、と自分の中に声が響く。 ──だがそれと同じ、いや、それ以上に諦めたくないと叫ぶ自分もいた。 「私、はっ……!」 龍香が苦しみ、嗚咽を漏らしながら、天願を、いや、頭に付いている“カノープス”を睨む。 天願が憐れむような瞳で龍香へ視線を投げ掛ける。 「そんなに、怖がらなくてもいいよ。私と一緒に──」 「いいや?ソイツの眼はまだ死んでないよ。」 声が響く。そして次の瞬間、何者かが光の速度で天願に横から突っ込む。 「っ!」 素早く反応した天願が防御の姿勢を取るが、乱入者の勢いは凄まじく、彼女を大きく吹き飛ばす。 さらに今にもきゅーばんに向けて振るわれんとした刃が彼女の身を切り裂かんと迫るが、彼女とその刃の間に“十字の光の形をした剣”が挟まり、その一撃を弾く。 「なんだとっ!?」 「えっ」 その“十字の光の剣”は三つあり、クルクルとしたかと思えば光を放つ。すると光によって影の縄は消滅し、全員が解放される。 《貴様……何故!?》 カノープスが驚きの声をあげる。それは龍香も同じで、目の前に立つ一人の“女性”に龍香は驚きのあまり目を見開く。 そこにいたのは全身の十字の瞳を持つ祈祷師のような装飾を纏い、十字の光の刃を放つ杖を持った紫色の髪の女性…操られていたハズの紫水龍姫だった。 「お姉……ちゃん…?」 「よしよし。まだ目は死んでないわね。そうこなくちゃ、前の世界でアンタに殺された私が可哀想だもの。」 龍姫は龍香の顔を覗きながら嗤う。そんな彼女にカノープスが問い掛ける。 《貴様ッ!?何故?動ける?我の書き換えを解いたとでも言うのか!?》 カノープスの問いにクックックッと笑いながら龍姫は立ち上がる。 「あー?バカね。認識の書き換えなんてこっちも同じような事が出来んのよ。ご丁寧にわざわざ私の能力まで再現してくれちゃって……。お生憎様だけど私にアンタの技は効かないのよ。」 《チッ……厄介な。》 「まぁ、龍香が苦しむ分には面白いから様子を見てたんだけどね。」 次の瞬間天願に敵意を剥き出しにしながら、龍姫はドスの効いた声で威圧する。 「前の世界の全てがアンタの礎、ってのがどーしても気に食わなくてね。全力で吠え面をかかせてやろうと思ったの。」 龍姫の放つ雰囲気に全員が戦慄する。しかし、天願はふんっと嗤うと。 「貴方一人が寝返ったからって!こっちにはまだ友達が沢山…!」 「へぇ。なら聞くけどさ。」 ニヤリ、と龍姫は獰猛な笑みを浮かべる。 「“その程度の人数”で私をどうにか出来るとでも思った?」 次の瞬間、彼女の影が伸びて彼女自身を拘束する。 「あ?」 気怠げに龍姫は声を出すと、唯一動かせる首をシャドウマンに向ける。 「その女は危険だっ!今すぐやれっ!お前らっ!」 シャドウマンがそう言った瞬間次元に亀裂が走り、それらを割って三方から、アリックスが血の槍を、姦姦蛇羅が呪術を、ザマスロリ大女郎蜘蛛が背中の脚を動けない彼女へと向ける。 「ハッ。この程度で。」 次の瞬間ギョロギョロと全身の装飾の眼が動く。それを見た龍香は顔を青ざめさせると呆然とするきゅーばん達皆に向かって叫ぶ。 「皆──ッ!!今すぐを眼を閉じて──ッ!!」 「“征服王ノ威光”」 次の瞬間全ての瞳から眩い光が放たれる。その光は凄まじく、彼女に纏わりついていた影の鞭を一瞬にして消し飛ばし、アリックス達はその光をもろに視認してしまう。 「なによっ、まぶし……い?」 「こんな光で…?」 「……!!」 光を浴びたアリックス、姦姦蛇羅の二人は失速しドサリ、と地面に力なく倒れる。シャドウマンの方も動けないようで、固まっている。 「身体が……!?」 「動かな……!?」 「出たッ、お姉ちゃんの催眠光線……!」 光を見た者の身体の動きを封じる“征服王ノ威光”の相変わらずの凄まじさに龍香が少し引く中、龍姫は嗤う。 「……これこそが全てを平伏させる私の力……ってカッコつけたかったんだけど…。」 次の瞬間彼女に四本の鋭い爪のついた脚が襲いかかる。龍姫は杖でその脚を弾く。 「アンタらは動けるのね。」 龍姫の視線の先には憎悪の炎を燃やし、笑みを浮かべる大女郎蜘蛛と、武器を構える天願がいた。 「前に一度喰らってるザマスからねぇっ!“別の瞳”を埋め込む事で対策済みザマス!」 「カノープス…!」 《確かに我の書き換えは通じなかったようだが、逆に言えば貴様の技も我には効かんぞ。》 「チッ。厄介な事で。」 襲い来る二人を杖でいなしながら、龍姫は龍香の首根っこをむんずと掴む。 「きゃっ」 「足手纏い抱えて戦う程私は馬鹿じゃないからね……ここは退かせて貰うわ。」 「バカめっ、逃すとでも……!」 大女郎蜘蛛が爪を繰り出した瞬間彼女の姿が光となって消える。 「消えたっ!?」 《上だ!》 カノープスの指示通り上を見上げると、そこには龍香を抱えて大きく跳躍している龍姫の姿が。 「消えなさいカス供。」 次の瞬間三つの光を組み合わせた神々しさする感じる巨大な刃が天願達へと向かって放たれる。 「ちょ、ちょちょっ、冗談じゃないわよっ!!眷属ッ!」 アリックスはこちらへ向かってくる刃を見て顔を青ざめさせながらそう叫ぶとその言葉に反応して龍賢が彼女を抱き抱えてその場を離れる。 「あっ、ずっこ!!ずるいですよ!私も!私も!そこの黒いの!私を運びなさい!」 姦姦蛇羅がそう叫ぶと黒鳥が反応して彼女を抱える。迫り来る刃を見ながら天願が叫ぶ。 「カノープスッ」 《チッ、姦姦蛇羅!奴の焔を出せ!》 「えっ?いいの?チャージ中でしょ?」 《背に腹は変えられん!》 カノープスが指示を出すと姦姦蛇羅は何やら不気味な声音で呪文を唱え始める。 するとズゾゾ、と時空に穴が空いたかと思ったその瞬間。まるで爆発したかのように凄まじい炎が放たれた刃に向かって飛んでいく。 「!」 それは刃とぶつかった瞬間、さらに爆発を起こし刃を粉々に粉砕すると同時に霧散する。 「チッ。」 龍姫が舌打ちする中、龍香はふと次元の穴に目をやる。 「……アルタイルさん?」 またすぐに次元の穴は閉じてしまうが、龍香は確かに次元の穴の奥に拘束されていた彼女を見つける。 「あわよくばと思ったけど、これ以上は面倒くさいわね。」 だが彼女が声を出すより先に龍姫は光となって消える。それを見たきゅーばん達も。 「…なんかよく分からんがワシらも退くぞ!」 「あ、でも雪花が……」 「悔しいが、今はどうしようもない…!」 一瞬立ち尽くす雪花を見て逡巡するが、彼女達もすぐにその場を離れた。 そして誰もいなくなったその場で少しキョロキョロと辺りを見回した後、天願は変身を解く。 「……逃げられちゃった。こんなんじゃ、龍香さんを守れないや。」 《気にするな。初めてはこんなものだ。》 そう言ってカノープスがピカッと光ると、動けなかったアリックス達の身体に自由が戻る。 「お、おぉ……!」 「動ける…」 身体の自由を取り戻した彼女達を一瞥すると、カノープスは再び次元の扉を開き、拘束されているアルタイルを見る。 《……意外と使わされたな。まだ規定量には全然足りないと言うのに。》 「…彼女を、何に使う気なの?」 天願が尋ねると、カノープスはククッと笑って答える。 《そうさな……我を最強にするための燃料…と言ったところかな。》 真っ黒な闇を星々が明るく照らす海岸。その空間に一筋の光が灯ったかと思うと、穴が開いて、一人の少年が転がり落ちる。 「うぐっ。」 白髪の少年……アルビレオはボスっと砂浜に倒れ込み、痛む身体に鞭打ってなんとか立ち上がる。 「……何とか、助けなきゃ。」 攫われてしまった姉を追いかけて遥々この次元まで追いかけて来たのだ。 しかし、同時に彼の胸を不安が襲う。 (ホントにボク一人で助けられるかな…?) あっという間にあしらわれた先程の戦闘を思い出し、挫けそうになるが、彼はブンブンと首を振り、頬を叩くと立ち上がる。 「いや、弱気になっちゃダメだ!やらなきゃ……!」 そう言って気合いを入れたその時だった。 《…い、…ーい、おーい。》 「……?声?」 《おまえ確かアルビレオ…だろ?》 「何でボクの名前を!?」 ふと彼の耳に誰かが呼びかけるような声が聞こえる。さらにその声の主はアルビレオの事を知っているらしい。何だろうかと彼は耳を澄ませ、そして気づく。 その声は彼の足元から聞こえて来る事に。アルビレオが下に眼をやると、彼は目を丸くする。 「えっ、なんでお前がここに……?」 驚く彼に足元の声の主は。 《いやまぁ、色々あってよ。んなことより、ちょっと手を貸してくれや。俺を“相棒”の元まで連れて行ってくれ。》 そう、頼み込むように言った。 先程の場所から山道を戻ってきた龍香達ときゅーばん達は廃工場跡地で落ち合っていた。 合流すると、きゅーばんが龍香に話しかけて来る。 「……龍香ちゃん、無事だったんだね。」 「うん。私は何とか……でも、雪花ちゃんが……」 「…悪いのぉ。せっかく助太刀に来たのに。」 「い、いやいや。のじゃさんが謝る事はありませんよ。それより、どうやって雪花ちゃんを、皆を助け出すか考えなきゃ。」 「……せやな。何とか助け出さんと…」 皆が思案に耽る中、シェーンが手をあげる。 「…ところで、一つ聞きたいんだけど。」 「どうしたのシェーンさん。」 「この、過激な格好をした彼女は?」 シェーンの視線の先には、変身したままの龍姫がいた。龍姫は目をぱちくりさせると。 「あ、変身したままだったわ。」 特に気にした様子もなく言ってのける彼女にそう言えば誰だコイツと皆の視線がいく。 それに気づいた龍香は皆に龍姫を紹介する。 「あ、紹介が遅れました。私のお姉ちゃんです。」 「紫水龍姫よ。まぁ、短い間だろうけどよろしくね。」 ペコリとあいさつする龍姫……の特にその格好に皆の目がいく。 (り、龍香ちゃんのお姉ちゃんって、結構過激な格好をするのね。) (は、恥ずかしくないんか…?) (ちょっとでも動いたら……見えちゃいそう。) 皆がヒソヒソと話す中、デヴァが目を逸らしながら彼女に言う。 「そ、その。彼女のお姉さんと言うことは分かったから出来れば着替えてくれないか?その……目のやり場に困る。」 顔を赤くする彼を見て龍姫は一瞬キョトンとした顔をした後、悪戯っぽく笑みを浮かべ。 「何〜?私のこの格好の何処がおかしいって言うの?言ってみなさいよ。うん?」 「う、うあっ、うわ…」 「もう、お姉ちゃん!いじめないの!」 ニヤニヤと笑いながらグイグイと距離を詰めて赤面するデヴァを揶揄う彼女を、龍香が諌める。 龍姫も笑いながら変身を解除し、普通の服装に戻る。 「あー、中々新鮮な反応だったわ。」 「もう、お姉ちゃんったら……!」 一頻り笑った後、打って変わって真剣な声で彼女は切り出す。 「ま、それよりも実際問題……アイツらをどうするか、ね。」 龍姫の言葉に全員が押し黙る。突如現れた侵略者達。目的は謎だが、全員が凄まじい戦闘力を持っていることだけは分かる。 「…何が目的なのかしら、彼女達は?」 「分からない。…けど、碌な事は企んでなさそうって言うのは分かる。」 「…にしても、何故に奴らはわざわざ“不安定なこの世界”にやってきたのじゃろうな?」 「あ、さっきから気になってたんやけどその“不安定な世界”ってなんやそれ?」 むらサメの疑問に龍香がビクッ、とする。龍香がどう説明しようか逡巡していると龍姫が気怠げに口を開く。 「そんなの簡単よ。勝者になった龍香がこの世界を書き直したから。それだけよ。」 「お姉ちゃ……!!」 「何よ。事実でしょ。」 龍香が龍姫に口を挟もうとするが、龍姫は気にせず続ける。 「本来最上位種の私が書き換えるハズだったのに、下位種のカノープスとアンタが私をぶっ殺して不完全な方法で書き直したから、世界に綻びが生じたんでしょ。」 「……!お姉ちゃんだって!赤羽さんや黒鳥さんを…!」 龍姫の物言いに龍香が食ってかかるが、龍姫は手をヒラヒラさせて彼女をあしらう。 「ハハッ、何勘違いしてるか知らないけど別にアンタを恨んでないわよ。今の私は五体満足だから、ね。多分アンタが私に気を効かせたんでしょうけど。」 睨む龍香と嗤う龍姫。何となく二人の関係を垣間見た全員がどう声をかけるか迷っていると。 「姉妹喧嘩もその程度にしておいて。今は重要じゃないわ。」 エフィがコホンと咳払いをして彼女を諌める。諌められた龍香は少し不満げながらも引き下がり、龍姫もフッと笑いつつも引き下がる。 「……それにしても、奴らの動きが読めんのぉ……何をする気なのか…。」 「……ヒントになるか分からないけど彼女の攻撃を防ぐための炎が放たれた時。一瞬だが、すごい気を感じた。まるで溜めていたものを少しだけ吐き出したような…。」 「あっ、そういえば、あの時空の中にアルタイルちゃんが閉じ込められてて……」 シェーンの言葉に龍香が声を上げると、皆の視線が龍香に向かう。 「アルタイル?」 「うん、何回か戦ったけど、前にオウマがトキに飛ばされた時はには共闘もしたんだよ。不死鳥の能力を持っていて、めちゃくちゃ強いの。」 龍香が説明し、アルタイルのことを皆が教える中、龍姫が口を開く。 「……まっ、よく分からんないけど、現状一つ言える事があるわ。」 「何?」 「アンタはこの戦いに参加出来ない、ってとこよ。」 「何やて?」 「………。」 「他の連中は知らないけど、ハッキリ言ってカノープスのいないアンタに何が出来るの、って話でしょ。足手纏い抱えて戦うの、私はゴメンよ。」 「……それは。」 「そんな言い方しなくたって。」 龍姫の言いぶりにきゅーばんが咎めるが、龍香は彼女に言う。 「……いや、いいのきゅーばんちゃん。お姉ちゃんの言っていることは……事実だから。」 龍香はそう言うと、少し顔を伏せて、一目散にその場から走って離れる。 「……感心しないね。」 シェーンが咎めるように言うが、龍姫はどこと吹く風で。 「そう?“何も出来ない”奴に死んでこい、って言うよりかは遥かに優しいと思うけど?」 フフフと嗤う龍姫に皆が刺々しい視線を向ける中、のじゃロリ猫だけが彼女をジッと何かを見定めるように見つめていた。 皆がいた廃工場が逃げるように龍香は走っていたが、徐々に力尽き、ぜぇぜぇと肩で息をしながら立ち止まる。 気がつけば日は沈み、街灯の灯りだけが彼女を照らしていた。 彼女はふと、真っ黒な夜空を見上げる。街灯のせいもあり、夜空には星一つ見えない、真っ黒な空だ。 「……私、ホントに。カノープスがいないと何も出来ないんだ…。」 ふと思い返せば、龍香が立ち直る切っ掛けになったのは、力を貸してくれていたのはカノープスだった。 いつもそばに寄って、たまには喧嘩もしたけど、それでも彼は龍香を“相棒”と呼んでくれ、共に進むことが出来た。 「ただの、何の力もない子供……。」 龍香は視線を地面に落とす。龍姫と天願の言葉が彼女の中に反芻される。 “カノープスのいないアンタに何が出来るの?” “今の龍香さんに誰かを守る力はないんだから” 「……カノープス。貴方がいないと、私は……友達を助ける事も出来ない…。」 龍香の胸に穴がぽっかりと空いたかのように虚無感が拡がり、目頭が熱くなり涙が溢れそうになる。 自分の無力さに彼女が打ちのめされようとしたその時だった。 「……龍香?何してるんだこんなとこで。」 「…え?」 突然呼びかけられて、龍香が振り向くとそこには赤茶色の髪を綺麗に整えた長身で人の良さそうな男性…龍香の父である鯉昇が立っていた。 「……あのな、龍香。外はもう真っ暗なんだから。帰らないと。お前はホンッッットッ可愛いんだから。悪い人に攫われちゃうぞ?」 「お、お父さん。外ではやめてよ。」 鯉昇は龍香を見つけると、ファミレスで軽く飲み物を頼んでそれを飲みながら、如何に真っ暗な外を龍香が歩くのが危ないのか話し出す。 龍香が父の説教を受けながら視線を注文した飲み物に落とす。 すると鯉昇は話すのを一旦ピタリと止めるとズズと珈琲を飲み、龍香に改めて向き直る。 「……で。何かあったのか、龍香?」 「……え?」 「何か悩み事があるんだろ?言ってみなさい。アドバイス出来るかもしれないぞ?」 微笑む彼に龍香は少し逡巡した後、意を決して尋ねる。 「あのね、お父さん。…もし、もしだよ。自分じゃ絶対敵わない相手に友達が攫われたら……勝てないと分かっていても戦える?」 「絶対敵わない相手、かぁ。」 鯉昇は微笑むと、龍香に言う。 「そうだな。正直言ってその時になってみないと分からないけど、一つだけ絶対、って言えるのは龍香やママさんや龍賢がもしそうなっても……パパは絶対に龍香達を見捨てない。必ず助け出すよ。」 「……絶対勝てないんだよ?自分じゃどうしようない。逆立ちしたって勝てない相手なんだよ?」 鯉昇の言葉に龍香は少しネガティブに返す。しかし鯉昇は少し困ったような顔をして。 「うーん、絶対勝てない奴が相手だったとして……色々考えたんだけどさ。どれも、龍香達を助けるのをやめる理由にならなかったんだよ。」 「……理由…。」 「あ、勿論無謀なことをする、って意味じゃないよ?でもさ。どんなに無様で、惨めでも。龍香達がそれで救えるならパパは喜んでするよ。」 「………。」 龍香の目を真っ直ぐ見ながら、鯉昇は言う。 「他にも他人に頼るってのも手だ。人間、自分一人で出来ることなんてたかが知れてる。でも、二人、三人と人が増えていけば色んな事が出来る。助けて、って言うのは全然恥ずかしい事じゃないんだ。」 パパだって色んな人に支えられているしな、と言って鯉昇は笑う。 「………。」 「ま、何か悩んでいるならパパやママ。龍賢、龍斗、龍姫や叔父さんや叔母さんにだって言いなさい。絶対力になってくれる。」 「……お姉ちゃんが?」 意外な名前に龍香が尋ねると、鯉昇はハハと苦笑して。 「龍姫はなぁ、実は優しいんだぞ?ちょっとワガママで口下手なだけだ。不器用なんだよ。」 俄に信じがたい言葉だが、龍香はふと彼女の言葉を思い返す。 “カノープスのいないアンタに何が出来るの?” 「……カノープスのいない、私に出来ること……。」 龍香はそう呟くと、彼女の言葉の真意を考える。そして顔を上げると、目の前の父を見る。 「……ありがと。お父さん。私、分かったかも。」 「そうか?なら、良かった。」 迷いが晴れたような瞳の彼女を見て、鯉昇もふふっと微笑んだ。 次の日の朝。廃工場にのじゃロリ猫、むらサメ、きゅーばん、シェーン、デヴァ、エフィが集まる。 六人の姿を見た龍姫はちょっと不服そうな顔をして彼女達に言う。 「アイツらの大まかな場所は絞り込んだわ。……シードゥスの居場所なんて最上位種の私には筒抜けだからね。」 龍姫の言葉に全員の顔が引き締まる。 「とりあえず今現在判明しているのは操られた馬鹿六人と…蜘蛛と影と蛇と蝙蝠と……カノープス擬き、の11人と言ったところかしらね。」 「……この七人で、アイツらと戦うの?」 少し不安げにきゅーばんが尋ねる。龍姫はどこか不満げにそうよ、と短く返す。 「ま、安心しなさい。馬鹿六人は身内の不始末と言うことで私が抑えるわ。後の五人はアンタ達六人で何とかしなさい。」 龍姫がそう言うと、のじゃロリ猫が皆に言う。 「任せい。蜘蛛と影に関しちゃワシ倒した事あるから。ドーンと泥舟に乗ったつもりで構えておれ。」 「それじゃ沈むんだが…?」 やんわりとシェーンがツッコミを入れる。役割分担を決めた七人が出発しようとしたその時。 「待って!」 七人を誰かが呼び止める。全員が振り向くと、そこには息を切らせながらもこちらを見つめる龍香が立っていた。 「龍香ちゃん!」 皆が喜色を浮かべる中、龍姫は笑いながら彼女に尋ねる。 「…あら。何しに来たのかしら?何の力もない貴方が。」 「確かに……今の私には力はない。飛ぶ事も出来なければ時を止められないし、光線だって撃てない。」 龍香自身に特別な力はない。カノープスがいなければ彼女はただの少女。それは覆しようがない事実だ。 「なら、貴方には何が出来るの?」 龍姫の問いに対し、彼女の目を見て彼女は真っ直ぐ答える。 「雪花ちゃん達を助け出す事が出来る!」 「へぇ。何の力もないアンタが?」 「…そう。私には力がない。だから。」 龍香はガッと頭を下げる。その行動に龍姫どころか全員が面食らう。 「だからお願い!雪花ちゃん達を助けるために皆の力を貸して!!」 龍香の本気の頼みに、皆が一瞬静かになる。しかしすぐにむらサメが龍香の肩を叩く。 「何水臭い事言うんとやお前!!なんぼでも胸貸したるわ!」 「龍香ちゃん!一緒に頑張ろう!」 「うん!いい決意だ!ボクも出来る限り君をサポートするよ!」 「うむ。その意気や良し!」 「……ま、これも縁よね。」 皆が龍香を受け入れ、団結を深める。そんな様子を龍姫は鼻で笑いながら見ていたが、そんな彼女にのじゃロリ猫が話しかける。 「……お主、発破かけとったんじゃろ?わざと辛い言葉を龍香にかけて。」 のじゃロリ猫がそう指摘するが、龍姫は特に焦ったりもせず言う。 「私を殺したあの子がどうなろうと知ったこっちゃないわ。けどね。あのまま腐られてたらあんなのに殺された私が可哀想でしょ?」 そう嗤って言う彼女にのじゃロリ猫はやれやれと肩をすくめ。 「やれやれ。素直じゃないのう。」 そんな中、龍香は皆に改めて言う。 「行こう!皆を、助けに!!」 To be continued… 関連作品 (続編や派生作品が有れば、なければ項目ごと削除でもおk)